千葉市美術館で、開館30周年記念 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵「ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に」が開幕した。会期は3月1日まで。担当学芸員は田部井栞里(千葉市美術館学芸員)。なお本展は同館での開催後、山口県立萩美術館・浦上記念館(4月18日~5月31日)、三重県立美術館(6月13日~7月26日)、北斎館(8月8日~10月12日)を巡回する予定だ。
「花鳥版画」とは、花や鳥を主題とした浮世絵のこと。季節のうつろいとともに花や鳥が描かれたこれらの作品は、葛飾北斎や歌川広重が活躍した時代に数多く制作された。米国ロードアイランド州に位置するロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(通称・RISD 美術館)には、そんな花鳥版画が大半を占める「ロックフェラー・コレクション」が所蔵されている。これはロックフェラー家のひとり、 アビー・オルドリッチ・ロックフェラー(1874〜1948)によって1916〜20年代後半に収集・寄贈されたもので、浮世絵のなかでも役者絵や風景画、 美人画ではなく花鳥版画を中心にした点において、世界的にも稀有なコレクションだと言われている。
本展では、同コレクション約700点のうち163点が紹介される。北斎、広重をはじめとする浮世絵師たちによる花鳥版画を一堂に鑑賞することができる、貴重な機会である。
本展は全6章構成となるが、アビーが1916年に収集した初めての花鳥版画である歌川広重《水葵に鴛鴦》《紫陽花に川蝉》がプロローグとして紹介されるところからはじまる。

第1章「花鳥版画を手がけた浮世絵師たち」は、花鳥版画がもっとも興隆した天保期(1830〜44)以前の浮世絵師による希少なものを中心に、その歴史を紐解く構成である。花鳥という同一のテーマを扱いながらも、絵師によってその表現方法が大きく異なることを感じられる内容だ。
会場では、明和(1764〜72)初期に絵暦(えごよみ)交換会で美しい絵暦を手がけた絵師として知られる鈴木晴信の《秋海棠に蝶と猫》が紹介されている。当時はまだ高級品であった多色摺の錦絵の上質な紙を使用しているところにも注目したい。またロックフェラー・コレクションにある9点のいけばな図のうち、7点を制作されたとされる喜多川歌麿の作品も紹介されている。



































