第2章「広重花鳥版画の華ー大短冊判花鳥版画を中心に」では、歌川広重の作品が展覧される。じつは花鳥版画の分野において随一の作画量を誇るのが広重であり、本展で紹介される163点のうち、約110点は広重のものである。なかでも大短冊判(おおたんざくばん)と呼ばれる判型の作品は、広重の花鳥画を代表するものとして評価が高い。本展のメインビジュアルに使われている《雪中椿に雀》も、大短冊判の作品だ。

第3章「北斎と北斎派の花鳥版画」は、タイトルの通り葛飾北斎が描いた花鳥版画に着目した内容だ。作画量では広重が随一ではあるが、花鳥版画人気の足がかりをつくったひとりとしては北斎も特筆すべき存在である。《芥子》《鷽 垂桜》といった現代でも高く評価されている作品は、錦絵の揃物として花鳥を主題とした先駆的な作例である。また本章では、北斎作品だけでなく、二代載斗(にだいたいと)、魚屋北渓(ととやほっけい)といった北斎派の絵師による作品も展覧されている。


第4章「季節の風情『団扇絵』の名品」では、「団扇(うちわ)」の骨に貼るために制作された浮世絵版画が取り上げられる。夏の風物詩として親しまれた団扇は、実用的な消耗品でありながら、夏の装いを彩るファッションアイテムのひとつとしても求められていたという。消耗品であることから現存数は少ないが、ロックフェラー・コレクションには30点ほどの花鳥団扇絵が良好な状態で収蔵されている。絵柄の異なる色鮮やかな団扇を眺めているだけで、夏という季節を楽しもうとしていた当時の人々の様子が想像できる。





















