東京・原宿の太田記念美術館で、浮世絵の名所絵などの片隅にいる、味わい深い人物「おじさん」たちに着目する展覧会「浮世絵おじさんフェスティバル」が開幕した。会期中には展示替えがあり、前期が~2月1日まで、後期が2月5日~3月1日となっている。担当は同館上席学芸員の渡邉晃。なお、本展は中山道広重美術館で好評を博した「浮世絵おじさんフェスティバル」展のコンセプトをもとに、新たに構成した展覧会となっている。

太田記念美術館においては2023年の「広重おじさん図譜」以来、約3年ぶりとなる「おじさん」展となる本展。前後期あわせて 150点を超える作品を展示し、浮世絵に描かれた多彩な「おじさん」たちを紹介しつつ、作風も時代も異なる絵師たちの作品が一堂に会する。
冒頭のプロローグ「ようこそ 浮世絵おじさんフェスティバルへ!」は、歌川広重の《東海道 丗四 五十三次 二川 猿か馬場》(1851、嘉永4)から始まる。中央に描かれた、小さいながらも街道の中央で扇子を仰ぎつつリラックスした表情を見せる「おじさん」が来場者を迎える。

ほかにも桜満開の吉野の花を背景になぜか鑑賞者のほうを見ている葛飾北斎《雪花月 吉野》(1830〜34、天保前期)のふたりの「おじさん」や、歌川国芳《東都名所 新吉原》(1832〜36、天保4〜7)の月の下で悲しそうな顔をする「おじさん」などが並ぶ。


また、明治以降の浮世絵としては、小林清親《本所御蔵橋》(1880、明治13)の、後ろ姿のシルエットながらもシルクハットをかぶっていることがわかり、明治という時代の変化を感じさせる「おじさん」も興味深い。


































