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「拡⼤するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」が開幕。視覚芸術にとどまらないシュルレアリスムの魅力と影響【4/4ページ】

 第5章「ファッション―欲望の喚起」は、シュルレアリスムとモード、ファッションとの関係に迫るもの。ここでのメインは、シュルレアリストたちとの交流が深かったデザイナー・スキャパレッリの作品だ。冒頭に紹介されたスキャパレッリの代名詞ともいえるショッキング・ピンクのドレスのみならず、イブニング・ドレスや独自のデザインが施された香水瓶やジュエリーなど、多岐にわたるスキャパレッリ作品は大きな見どころ。

手前はサルバドール・ダリ《抽き出しのあるミロのヴィーナス》(1936/1964)、奥にはスキャパレッリのドレス
スキャパレッリのアクセサリー類

 最後の第6章「インテリア―室内空間の変容」では、家具に焦点が当てられる。違和感を引き起こして現実に揺さぶりをかけるシュルレアリスムにとって、日常生活の場である室内の安定した秩序を転覆させることには大きな意味があった。家具を奇妙なオブジェに置き換えることで、シュルレアリスムによる空間への関与に挑戦した動きについて紐解く内容となる。

6章の展示風景。奥にはポール・デルヴォーが壁画のために描いた絵画が並ぶ

 なお本展は前後期で展示替えあり。2026年4月16日から東京オペラシティ アートギャラリーへと巡回する。

編集部