再生によって生まれたスモールブティックホテル「泊船」
しかし市民有志による保存運動を経て、文化財として保存・再生されることが決定し、公民連携というかたちで、図書館・観光案内・ホテル・カフェといった複数の機能を内包する複合施設「旧上野市庁舎SAKAKURA BASE」として再生された。
「泊船」は、全19室のスモールブティックホテルで、レセプションは1階、客室は2階となっている。1階と地下1階には図書館が入っており(※)、宿泊者も図書館の本を読むことができる。逆に図書館を利用する人も2階の客室フロアに上がることが可能で、もともと議場だったところは図書館の学習室として使われる予定だ。
「泊船」という名前は、この土地がかつて琵琶湖の湖底だったという言い伝えや、施設内にある図書館を「言葉の湖(うみ)」に見立て、その上に錨をおろして滞在するというイメージから着想を得ている。さらに伊賀出身の俳聖・松尾芭蕉の俳号が「泊船堂」だったことにも由来して名づけられた。

※図書館は2026年春開業予定



















