「来たる世界2025-2075 テクネーの崇高性」(GYRE GALLERY)開幕レポート。テクノロジー時代の崇高を問う【3/5ページ】

イオナ・ズール

 イオナ・ズールは1970年ロンドン生まれの科学者でありバイオ・アートの第一人者。西オーストラリア大学デザイン学部美術学科で教鞭を執る。

 本展に出品された《エクスウテロ/人工子宮》(2023)は、生殖と体外受精が技術によっていかに拡張されうるかを探究するもの。提供されたヒトの胎盤を使い、そこに存在する微生物までも再現し、「代理子宮としての孵化器」を科学的なプロセスによって開発しようとするプロジェクトだ。生殖における死の危険からの解放の可能性と、それによる倫理的・哲学的な問題が提示されている。

展示風景より、壁面がイオナ・ズール《エクスウテロ/人工子宮》(2023)
展示風景より、イオナ・ズール《エクスウテロ/人工子宮》(2023)

編集部

Exhibition Ranking