AIを独自開発するアーティスト・岸裕真。√K Contemporaryで大規模個展開催

研究者としてAIに携わり、現在は表現者としてAIとともに芸術を生み出している岸裕真が√K Contemporaryで大規模個展「Oracle Womb」を開催する。

 東京・新宿区にある√K Contemporaryで、いま注目のアーティスト・岸裕真の個展「Oracle Womb」が開催される。

 岸は1993年生まれ。東京大学大学院工学系研究科(電気系工学専攻)修了。東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)修了。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」ととらえ直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年より、ほぼすべての制作においてオリジナルの対話型AIモデル「MaryGPT」がそのキュレーションを担ってきた。

Photo by Yunosuke Nakayama

 近年、個展「The Frankenstein Papers」(2023 / DIESEL ART GALLERY)、や「DXP2」(2024、 金沢21世紀美術館)、「獸(第2章 / BEAUTIFUL DAYDREAM)」(2024、まるかビル)への参加のほか、ファッションブランド「HATRA」とのリサーチベースの作品発表や、バンド「RADWIMPS」「King Gnu」などへのアートワーク提供、音楽家・渋谷慶一郎の公演「アンドロイド・オペラ」の映像演出など、様々なアーティストや企業とのコラボレーションでも注目を集めている。

 AIという言葉が一般的に聞かれるようになる以前より、研究者としてAIに携わり、現在は表現者としてAIと共に芸術を生み出している岸。本展では地下から2階の3フロアにわたり、インスタレーションから平面作品まで展示され、岸と「MaryGPT」が創り出す「美しい違和感」を展開するという。

 なお、同展の会場音楽はロサンゼルス出身のプロデューサー兼アーティスト・Teebsが担当。オープニングイベント「4D with Teebs + Yuma Kishi」が渋谷のライブハウスWWW Xで開催され、Teebsと岸裕真のライブパフォーマンスのほか、Daisuke Tanabe + Reiji Saito、E.O.U + jvnpey、Friday Night Plans + Leo Iizukaらが参加する。また3月8日には金沢21世紀美術館館長・長谷川祐子をゲストへ迎えた特別なトークイベントも開催予定。3月12日には、誠文堂新光社より、岸のAI論についてまとめた書籍『未知との創造 —人類とAIのエイリアン的出会いについて—』が刊行されるので、いずれもチェックしておきたい。

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