公共空間での大型のアートプロジェクトで知られるアーティスト・西野達が、渋谷のアイコンであるハチ公銅像にベッドルームを用意した。
本プロジェクトは1923年11月10日に生まれたハチ公の生誕100年(銅像建立は1934年)を祝うもので、11月12日に24時間限定で実施されるもの。ハチ公前広場には展示用のコンテナを用意し、家具を設置したベッドルームに。大きなベッドの上にはハチ公像が鎮座しており、長年にわたり渋谷の待ち合わせ場所として活躍してきたハチ公に休息を与えるものとなっている。
会期は11月12日の1日のみ、24時間限定だ。混雑する広場には案内の係員が設置され、指示に従い並ぶことで、作品の写真をとることができる。現地では家族連れや外国人観光客らが訪れハチ公前で楽しそうに記念撮影を行っていた。なお、通行人の滞留を防ぐために待機列以外での立ち止まっての鑑賞や撮影はせず、現地係員の指示に従って鑑賞してほしい。
本作を制作した西野は1960年愛知県生まれ。武蔵野美術大学卒業後、ドイツのミュンスター芸術アカデミーで彫刻を学び、97年から主にヨーロッパを拠点に活動。これまでマンハッタンに立つコロンブス像にリビングルームを建設した《Discovering Columbus》(2012)や、シンガポールのマーライオンを取り囲んでホテルを建設した《The Merlion Hotel》(2011)をはじめ、世界各地の街のモニュメントや彫像、建造物、時計台、公衆トイレなどを仮設壁で囲み、空間を変容させるインスタレーション作品を展開してきた。