西野達の個展がANOMALYで開催。ホワイトキューブと日常の空間を反転させる「逆の」プラクティスとは?

街のモニュメントなどをインスタレーションに丸ごと取り込み、リビングルームやホテルに仕立てる作品で知られる西野達。そのギャラリーでは10年ぶりとなる個展「やめられない習慣の本当の理由とその対処法」が、東京・天王洲のANOMALYで開催される。会期は1月25日〜2月22日。

展示風景 Photo by Keizo Kioku (C) Tatzu Nishi, Courtesy of ANOMALY

 西野達は1960年愛知県生まれ。武蔵野美術大学を修了後の87年に渡独し、ミュンスター芸術アカデミーで彫刻を学んだ。以降97年から公共空間を中心に大型プロジェクトを行い、現在はベルリンと東京を拠点とする。近年では「BEPPU PROJECT」(2017)で屋外インスタレーションと写真からなる大規模なプロジェクトを展開。また2018年には「Enfance/こども時代」で、パレ・ド・トーキョー(パリ)のエントランスに巨大なドールハウス《A Doll’s House》を発表し、大きな話題を呼んだ。

 街のモニュメントをインスタレーションに丸ごと取り込んでリビングルームやホテルを建設するなど、大規模なプロジェクトで知られる西野。ギャラリーでは10年ぶりとなる個展「やめられない習慣の本当の理由とその対処法」が、東京・天王洲のANOMALYで開催される。会期は1月25日~2月22日。

西野達 女神 2019/2020 発色現像方式印画 (C) Tatzu Nishi

 本展では、プライベートをパブリックな場に表出させてきた西野による逆のプラクティスとして、屋外にあるものや様々な日用品、身近なツールがホワイトキューブに出現。たとえば屋内への搬入が悩ましい巨木や車両の断片、自宅にある家具や家電などが本来あるべきコンテクストを剥奪され、その異物性が姿を現す。

 西野がつくり出すモノの集積はローカルな地域文化を表象するようなものでありながら、同時に客観性を帯び、その意味を宙吊りにする。西野が操るモノの意味と還元、そして本来の驚きに満ちた姿を通して、鑑賞者の想像力をダイナミックに拡張する展示空間に期待が高まる。

展示風景 Photo by Keizo Kioku (C) Tatzu Nishi, Courtesy of ANOMALY

編集部

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