時計メーカーのパテック フィリップが、希少なハンドクラフトウォッチやその制作過程などを展示する展覧会「Patek Philippe Watch Art Grand Exhibition Tokyo 2023」を、新宿の住友ビル三角広場で開催中。会期は6月25日まで。
パテック フィリップは1839年にスイス・ジュネーヴで創業。以来、160年以上にわたって独立した家族経営の時計メーカーとして機械式時計をつくり続けており、世界三大高級時計メーカーのひとつとしても数えられている。パテック フィリップはグランド・エキシビションを世界中で開催しており、6回目の開催地に日本が選ばれた。
三角広場に設置された会場正面には、パテック フィリップの本社があるジュネーヴのレマン湖と通りが再現されている。会場内にはこれまでパテック フィリップのリミテッドエディションのほか、世界初公開の技術を搭載した機械式時計も展示中だ。
注目したいのは、パテック フィリップが保護、育成してきた希少なハンドクラフト技術の展示。七宝細密画、クロワゾネ七宝、手彫金、細密な木象嵌、手仕上げのギヨシェ装飾、ジェム・セッティングなどの時計にまつわる職人技術は、現在も同社によって継承されている。
会場ではドーム・テーブルクロック、懐中時計、腕時計など40点に及ぶユニークピースとリミテッド・エディションを展示。それぞれ、日本の文化に立脚した意匠が凝らされており、スイス工芸の技術の高さを知ることができる。
さらに、会場にはこれらの技術を持つ職人が来場して実際に作業を行っており、来場者はその様子を間近に見ることができる。手による細密な彫金や七宝の職人のこまやかな彩色は、時計がかつて身につける芸術品として扱われていたことが伝わってくる。スイス時計の粋を体感できる展覧会となっている。