昨年、東京国立博物館と銀座メゾンエルメス フォーラムで「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を開催した内藤礼が、新たな個展「breath」を開催する。会期はタカ・イシイギャラリー 六本木が2月15日〜3月29日、タカ・イシイギャラリー 京橋が3月1日〜3月29日。
内藤礼は1961年広島県生まれ。現在東京を拠点に活動。1985年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。1991年、佐賀町エキジビット・スペースで発表した「地上にひとつの場所を」で注目を集め、97年には第47回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館で同作品を展示。「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」を一貫したテーマとした作品を手がけている。
![](https://bt.imgix.net/magazine/30248/content/1739154508127_1773ebf3cc3a2ef1ac625c5ee4519596.jpg?auto=format&fm=jpg&w=1920&h=1080&fit=max&v=0)
神奈川県立近代美術館 葉山館 「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」展展示風景
撮影=畠山直哉
本展で発表されるのは《color beginning / breath》だ。同作は2020年、紙に絵具を置き「色彩(生)」が顕れた瞬間に心に沸き起こる純真な驚きと喜びの経験を契機とし、人間の無意識を見つめようとした《color beginning》から始まった平面作品。同作品群は2023年にMtK Contemporary Artで発表され、ミュンヘン州立版画素描館での展覧会へとつながっていった。
また「生まれておいで 生きておいで」では《color beginning / breath》へと発展し、縄文時代の土製品との出会いを通して、何億年もの間にこの世から旅立った幾多の生を投影する空間としての広がりを持ち始めた。本展で発表される《color beginning / breath》がどのような景色を見せてくれるのか、注目が集まる。