国内外の工芸家やデザイナーの作品を収集してきた石川県金沢市の国立工芸館で、作品が生み出された場所や歴史、風土に焦点を当てながら世界の工芸・デザインを紹介する展覧会「工芸館と旅する世界展―外国の工芸とデザインを中心に」が開催される。会期は12月20日〜2023年2月26日。
国立工芸館は、2020年に東京国立近代美術館の工芸館が金沢に移転したもの。国内外の工芸・デザイン作品約4000点を収集し、そのうち外国人作家の作品は工芸作品が約180点、デザイン作品が約300点に及ぶ。
本展はその国際色豊かなコレクションを展示し、作品がつくられた土地の歴史や風土をひも解くことで、まるで世界を旅するかのように作品と出会えるというもの。A.M.カッサンドルのポスターやルネ・ラリックのカーマスコットなどフランスのアール・デコ期を代表するデザインや工芸作品、マルセル・ブロイヤーなどドイツのバウハウスで活躍した作家たちの家具やデザイン、バーナード・リーチやルーシー・リーなどのイギリス工芸、アルド・ロンティーニなどのイタリアの陶芸や工業デザインなど世界各国の工芸・デザイン作品が一堂に会するまたとない機会となる。
なお、本展の関連イベントとして金沢美術工芸大学教授・菊池裕子による講演会「トランスナショナルな民芸運動を通して再考する工芸館のコレクション」も実施される。参加無料のため、こちらもあわせて足を運びたい。