公益財団法人西枝財団は、これからの芸術・文化を担う若手キュレーターを支援するために、瑞雲庵で開催される「若手創造者支援事業 2026」の応募を受け付けている。募集締切は5月10日まで。
瑞雲庵は、京都・上賀茂の閑静な住宅街に位置する築100年以上の古民家で、もともと両替商の邸宅として使用されていた。周囲には歴史的な旧家や蔵が残り、京都らしい風情を感じさせる地域だ。茶室や美しい庭を有する瑞雲庵は、古い建物の美しさを保ちながら、一部リノベーションを施すことで「伝統と革新」が融合した空間となっている。


この助成事業は、意欲と創造性にあふれる若手企画者を対象に、現代美術、工芸、デザインなど幅広い分野の文化企画を支援し、次代の創造者を育成することを目的としている。
支援事業は、公募により年間2つの展覧会を選考し、実施をサポートする。展覧会の開催時期は2026年春(3月~5月)または秋(9月~11月)の1ヶ月以内で、会場として瑞雲庵が提供される。応募者には、70万円の企画助成金と20万円のキュレーター費が支給され、さらにフライヤーや屋外バナーの印刷代金、展覧会のアーカイブも助成される。

応募資格は、美術を専攻している大学生や、美術館やギャラリーでの実務経験がある者、または展覧会の企画・運営能力を有する者であり、さらに古民家での展示に理解のあることが求められる。選考基準としては、同時代性を持ち、瑞雲庵の特性を活かした企画であることが重要視される。加えて、スケジュールや資金計画がしっかりしており、実現可能性が高いことも評価される。
京都の伝統的な空間での展示を通じて、創造性を発揮する機会が提供されるこの事業。興味のある若手キュレーターにぜひ奮って応募してほしい。