公益財団法人西枝財団が、これからの芸術・文化を担う若者の育成を目的にキュレーターを支援する助成事業「瑞雲庵における若手創造者支援事業 2025」を募集している。公募期間は5月10日まで。
本助成事業は、京都・上加茂にある古民家「瑞雲庵」の特性を活かした、アイデアの溢れる展覧会を企画運営できる次代の創造者を募集するもの。公募によって年間2事業を選考委員会を経て採択し、瑞雲庵での展覧会開催を支援する。
葵祭で知られる上賀茂神社周辺は、歴史的な旧家や蔵が多く残る風情ある町並みをもつ開静な住宅街であり、その一部は伝統的建造物保存地区にも指定されている。この地にあるのが、築100年を迎えようとする木造2階建ての民家と蔵からなる「瑞雲庵」だ。両替商の邸宅だった住まいに茶室と美しい庭が残されており、京都らしい昔ながらの空間と空気をいまに伝えている。既存の美はそのままに一部リノベーションされており、古いものと新しいものが溶け合う京都らしい「伝統と革新」を体現したかのようなスペースだ。この空間を活かして展示を行うことができるキュレーターが求められている。
支援対象の募集対象は次のとおり。
- 大学などで美術を専攻している者
- 美術館やギャラリーで実務経験のある者
- 展覧会を企画し運営能力のある者
- 古民家での展示に理解のある者
- 上記以外に選考委員会が適切と判断した者
選考にあたっては、同時代性をもっており財団の趣意にあう企画かどうか、瑞雲庵の特性を活かした企画かどうか、スケジュールや資金面において計画がしっかりなされ実現の可能性が高いかどうかなどが吟味される。
具体的な助成内容は次のとおり。
- 展覧会場所の提供
- 企画助成金70万円
- キュレーター費20万円
- フライヤー/屋外バナー印刷代金
- 展覧会のアーカイヴ
その他詳細は財団のウェブサイトを参照してほしい。古民家という場の特性を活かした、独創的な展覧会を企画・運営できる次代のキュレーターは、ふるって応募してほしい。