タカ・イシイギャラリー(東京)はGalerie Martin Janda(ウィーン)と組み、メキシコ出身のマリオ・ガルシア・トレスとスロバキア出身のローマン・オンダックによる二人展を開催。オンダックが展示空間に設置した階段の手すりと、ガルシア・トレスによる金色の野球ボールを組み合わせたインスタレーションが注目を集めていた。

KAYOKOYUKI(東京)はニューヨークのChapter NYと組んだ。KAYOKOYUKIが出品した吉村宗浩は兵庫県を拠点とする画家だ。モチーフはオーソドックスな肖像や風景だが、漫画家・つげ義春からの影響もあるというその作品にはどこか不穏さも感じられる。光源の表現や独特の人物配置など、高い技量を感じさせる吉村の作品に呼応するように、日常のなかの不気味さや幻想性を描き出すChapter NYのウィラ・ナサティアの作品が存在感を放っていた。


Takuro Someya Contemporary Art(東京)とTKG+(台北)のブースでは、大山エンリコイサムとジャム・ウー(吳耿禎)の作品が並ぶ。過去の人物イメージのうえに「クイックターン・ストラクチャー」を重ねることで身体や時間を浮き上がらせる大山の作品と、紙や布、刺繍を切り、縫い、織り込むことでその時間そのものを作品に体現するウーの作品が、空間を構成していた。


WAITINGROOM(東京)とMANGROVEGALLERY(深圳)では、前者が土取郁香と川内理香子を、後者がHou Yijieを紹介。現在、黒部市美術館で個展を行っている川内は、平面のみならず天然石を使った立体的なドローイングにも取り組んでいる。本展では川内が石の形状や色調と対話しながらつくり上げた本作が、独特の空気感を醸し出すYijieの絵画と共鳴する。




















