フランス文化大臣の発表
2017年に大統領に就任したエマニュエル・マクロン率いるフランスは、昨年の欧州議会選挙で極右政党に敗北し、パリ五輪開幕直前に議会下院を解散、総選挙を行った。その後、与党は大敗こそ免れたが過半数獲得には至らず、左派連合が推す候補を避けた首相の交代劇も続き、いまも2025年度予算閣議が進行中だ。昨年12月23日、中道派のフランソワ・バイルーを中心にした新内閣を発表。今月3日、初閣議が開かれた。文化大臣にはちょうど1年前にその職についたラシダ・ダチが続投することとなった。ダチは政治畑から登用され、司法大臣やパリ7区区長も務めた経歴を持ち、来年のパリ市長選挙にも出馬の意向を見せている。
ダチ文化相は1月27日夕刻、国立移民史博物館のあるポルト・ドレ宮で、フランスの上院にあたる元老院での審議・採決までを終えた2025年の文化予算をふまえ、その政策方針について文化関係者や記者向けに発表した。会場は、1931年の国際植民地博覧会のために建設されたアール・デコ様式。その特徴的な内装を背景に話すダチ文化相の反対側には、複数の舞台芸術団体の代表者が、災害時に使われる金色の保温シートを体に巻き大臣に背を向けるかたちで強く抗議していた。