広島県福山市を拠点とする常石グループが、東京・日比谷に新拠点「TATOU TSUNEISHI」を開設した。
同社は1903年創業。造船・海運・ライフ&リゾートなど多ジャンルの事業を手がけており、「せとうちの海に浮かぶ、ちいさな宿」をコンセプトにした泊まれる客船「guntû(ガンツウ)」もその傘下だ。
この拠点は、従来のオフィス機能にとどまらず、社員や外部の人々が集い対話を重ねることで新たな発想を生み出す創造拠点として構想されたもの。常石グループが2025年に発足させた「ツネイシデザインプロジェクト」の一環として整備され、ファッションブランド「FACETASM」を主宰する落合宏理が監修、建築コレクティブULTRA STUDIOが設計を手がけた。
施設の中心には、講演会やトークセッション、飲食イベントなど多様なプログラムを行うことができるスペース「余白」が設けられている。用途を限定しないこの空間は、社員のみならず外部にも開かれた文化交流の場として活用される予定だ。集う人々の対話や活動を通じて新たな知見や感性が生まれる場となることが目指されている。

空間デザインのコンセプトは、グループの原点である瀬戸内海に由来する。「東京に瀬戸内海をつくる」という発想のもと、工業素材と自然のイメージを重ね合わせた空間が展開されている。例えば床にはステンレスパネルを互い違いに敷き込み、光の反射によって水面の揺らぎを思わせる表情を生み出した。また、瀬戸内の風景の移ろいを表現したカーテンや、寺社建築の縁側を想起させるテーブルなど、和の要素と工業的な素材感を組み合わせた設計が随所に見られる。
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