アートフェア東京を主催するaTOKYO株式会社は、今年の「ART FAIR TOKYO 20」の会期にあわせ、映像プログラム「FILMS」を東京ミッドタウン日比谷で開催すると明らかにした。会期は3月12日〜3月15日。
同社は今回のプログラムの背景について、同フェアにおける映像作品の出品が極端に少ない状態を指摘。そのうえで、映像を主として制作するアーティストを顕彰やコレクターに対しての映像作品の提案ができず、ジャンルの偏りによってアートフェア東京が掲げる「公平かつ信頼できる美術品売買の場の提供」は十分とは言えない状況にあったとしている。
2025年の「ART FAIR TOKYO 19」から、映像作品のセクション「FILMS」が試験的に新設されたが、今年はこれをアップデート。タイトルを「Art and Film? 言葉で定義できない映像の未来」とし、映像作品について「見る」「学ぶ」「買う」の3つの階層を設けたウェブサイト及びオンサイトのプログラムで構成する。
オンサイトのプログラムでは、東京ミッドタウン日比谷の9Fを会場として10名程度のアーティストの映像作品を上映。同時に「学ぶ」のセクションを強化することを目的としてオンサイト会場ではトークプログラムも行う。
オフィシャルサイトでは「イメージフォーラム」ディレクター、「e-flux」キュレーター、「Asian Film Archive」プログラマーといった映像表現のフィールドにおけるステークホルダーたち約10名のインタビューを掲載し、映像作品のコレクションやアーカイブに関する視座を共有するという。
プログラムディレクターは、金秋雨と許鈞宜によって2019年に設立された、現代におけるイメージの実験的なあり方を探求するプラットフォーム「non-syntax」。金は今回のプログラムについて、以下のコメントを寄せている。
「アートフェアは、しばしばアーカイブや保存の実践から距離のある場として捉えられてきました。しかし映像芸術は本来、完成された『物』として固定されることを拒み、上映や再生、更新を通して、その都度意味を変え続ける表現です。本プログラム『Art and Film? 言葉で定義できない映像の未来』では、こうした映像表現の歴史を踏まえながら、アートマーケットの只中においてこそ、映像作品をいかに経験し、いかに記憶し、どのように未来へ継承しうるのかを問い直します。ここでいう“言葉で定義できない”とは、混乱の兆候ではなく、映像が自らの枠組みを押し広げ続けている時代の記録であり、同時に、その曖昧さをどのように引き受け、次世代の映像文化を構想していくのかを考えるための出発点でもあります」。
またアートフェア東京CEO・北島輝一は本プログラムの狙いについて、以下のようにコメントしている。
「映像作品、すなわちヴィデオアートは、海外ではすでに主要な表現メディウムとして確立されています。いっぽうで日本のアートフェアにおいては、長らく十分な場が与えられてきませんでした。
高い情報密度を持ち、物質に縛られず可搬性に優れ、時間や空間を内包するこのメディウムは、今日の国際的な批評空間、流通環境、鑑賞体験の変化と強く共鳴しており、したがって今後のコンテンポラリーアートにおいてより重要な位置を占めていくべき存在です。
映像作品をコレクションすることは、インテリア的なモノの所有とは異なる位相にあります。それは凝結した知性としてのアートを資産とみなすプラクティスであり、同時に、作家の思想や表現に一票を投じるという意思を引き受けることでもあります。アートフェア東京では、こうした作品との関係性を持つことにこそ、これからのアートの価値が宿ると考えています。
本年度の強化・拡張された『FILMS』のエディションの公開を通じ、日本のアートフェアにおける映像表現の位置づけを、ここから更新してまいります」。





















