デイヴィッド・ツヴィルナーが20パーセントのスタッフを解雇。ワクチン開発まで経営状態回復せず

新型コロナウイルスの影響により、メガギャラリーとして知られているデイヴィッド・ツヴィルナーが、約20パーセントのスタッフを解雇することを発表した。

デイヴィッド・ツヴィルナー・ニューヨーク支店の外観 Courtesy David Zwirner

 新型コロナウイルスの影響により、美術館やアートフェアに関わるスタッフの解雇や一時休暇が相次いでいる。これまでスタッフの雇用を維持してきたメガギャラリー、デイヴィッド・ツヴィルナーも先週、約20パーセントのスタッフを解雇することを発表した。

 この決定について、ツヴィルナーは「ARTnews」に次のように語っている。「2020年上半期では、ビジネスがどのように変化するかを把握するため、7月1日までスタッフの解雇を避けていた。過去6ヶ月間のビジネスを詳細に分析した結果、ワクチンや治療法が発見されるまでは、以前の状態に戻らないと思われる深刻な変化が明らかになった」。

 今年3月と6月に開催されたアート・バーゼルのオンライン・ビューイング・ルームでは、同ギャラリーは4400万ドル(約47億円)を超える作品を出品。そのうち、ジェフ・クーンズの彫刻作品《Balloon Venus Lespugue(Red)》(2013-19)は800万ドル(約8億5500万円)の価格で販売され、ギャラリーのオンライン・セールスにおける単体作品の過去最高額を記録した。

 オンラインセールスにおいて大幅な成長を遂げているにもかかわらず、同ギャラリーは今年の総売上が30パーセント減と予測しており、今回の人員削減を余儀なくされた。解雇されたスタッフは、おもにイベントやインスタレーション、アートフェアに関連する部門の職員。

 リアルなイベントが開催できないいっぽう、同ギャラリーはオンライン事業の成長にさらに注力。今後、デジタルマーケティングや顧客開拓のために新しいスタッフを雇うことも計画している。

 今年5月、アメリカのアートディーラー協会(ADAA)がアメリカ国内の主要ギャラリーを対象に実施した調査によると、2020年第1四半期ではアメリカ国内のギャラリーの収益は31パーセント減、第2四半期の収益は73パーセント減少と予想。新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、新しいビジネスモデルの開発はこれまで以上に重要になっている。

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