2020.3.31

デイヴィッド・ツヴィルナーが中小ギャラリーとビューイング・ルームを共有。リソース不足を補う施策

メガギャラリーを代表するデイヴィッド・ツヴィルナーが、新型コロナウイルスの影響で閉鎖されている中小ギャラリーと自社のオンラインプラットフォームを共有する特別プログラム「プラットフォーム」を立ち上げる。4月3日~5月1日、ニューヨークの12のギャラリーによる第1弾がスタート。

デイヴィッド・ツヴィルナーのサイトより

 新型コロナウイルスの影響で、数多くの美術館・博物館やギャラリーは臨時休館となっている。こうした状況下、メガギャラリーを代表するデイヴィッド・ツヴィルナーが特別プログラム「プラットフォーム」を立ち上げ、中小ギャラリーと自社のオンラインプラットフォームを共有する。

 同ギャラリーは、17年1月にオンラインプラットフォーム「ビューイング・ルーム」を開設。名前とメールアドレスの登録をすれば、一部の作品の値段と販売状況を、誰でも見ることができる。

 今年のアート・バーゼルの「オンライン・ビューイング・ルーム」に合わせ、同ギャラリーでは1600万ドル(約17億7000万円)の作品をオンラインで展示。マルレーネ・デュマスの《Like Don Quixote》(2002)やリュック・タイマンスの《Tree》(2019)などの作品は、それぞれ260万ドル(約2億9000万円)と200万ドル(約2億2000万円)の高額で売れた。

 今回ローンチする「プラットフォーム:ニューヨーク」では、ニューヨークを拠点にする12の中小ギャラリーがデイヴィッド・ツヴィルナーのプラットフォームを利用し、各ギャラリーの所属アーティスト1名(2作品)を展示・販売することができる。

 このプログラムの設立理由について、デイヴィッド・ツヴィルナーは声明文でこう述べている。「新型コロナウイルスの拡散により、オンラインプラットフォームの必要性がさらに検証されている。しかし、人力やリソースの面から考えると、すべてのギャラリーがデジタル分野に進出することができるわけではない」。

 デイヴィッド・ツヴィルナーは、息子と娘であるルーカス・ツヴィルナーとマレーネ・ツヴィルナーに触発され、ギャラリーのスタッフと協力してこのプログラムを実現。「まるで『皆さん、ここの壁に作品をかけよう』と呼びかけているようだ」とコメントしている。

 4月3日~5月1日に行われるニューヨークのプログラムでは、作品に関する問い合わせはすべて参加ギャラリーに直接転送され、出展料や販売手数料は発生しないという。

 またニューヨークに次ぎ、同プログラムはロンドンでも展開する。ニューヨークの参加ギャラリーは以下の通り。

 47 Canal、Bridget Donahue、David Lewis、Essex Street、Queer Thoughts、Ramiken Crucible、Magenta Plains、JTT、James Fuentes、Elijah Wheat Showroom、Company 、Bureau。