フランスを代表するアートコレクター、フランソワ・ピノーによる私設美術館ブルス・ドゥ・コメルスで、アーティスト・中谷芙二子による新作インスタレーション《Cloud #07156》(2026)が公開された。会期は9月14日まで。
中谷芙二子は1933年、札幌生まれ。物理学者で人工雪の研究者として知られる中谷宇吉郎を父に持ち、1960年代後半から芸術とテクノロジーの融合を探求してきた。1967年にはアーティストとエンジニアによる国際的な実験組織E.A.T.(Experiments in Art and Technology)に参加し、1970年の大阪万博ではペプシ館を包み込む世界初の「霧の彫刻」を発表。その後半世紀以上にわたり、人工霧を用いた表現を発展させ、公共空間や美術館で数多くのプロジェクトを実現してきた。近年もテート・モダンやサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)などで大規模インスタレーションを発表するなど、環境と知覚の関係を問い続けている
本展は、同館で開催中の企画展「Clair-obscur(明暗)」の一環として実現するもので、キュレーションはピノー・コレクション館長のエマ・ラヴィーニュが担当する。安藤忠雄が改修設計を手がけたロトンド空間に合わせて発表された新作では、天窓から光が差し込む円形空間のなかで、白い霧が絶えずかたちを変えながら立ち現れ、来場者の動きや空気の流れによってその姿を変容させる。

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