大友良英+YCAM 新作展「即興!」が山口情報芸術センター[YCAM]で開催へ。18年ぶりのコラボレーション

山口県山口市の山口情報芸術センター[YCAM]で、音楽家・大友良英とYCAMによる大規模な新作展「即興!」が開催される。会期は10月17日~2027年3月1日。

2012年にYCAMで開催されたコンサート「2050年を想像する音楽 ―ドビュッシーとケージからの発想」リハーサルの様子。左から、大友良英、坂本龍一 撮影:田邊るみ

 山口県山口市の山口情報芸術センター[YCAM]で、音楽家・大友良英(1959〜)とYCAMによる大規模な新作展「即興!」が開催される。会期は10月17日~2027年3月1日。

展覧会ロゴ「即興!」 デザイン:垂井美穂
大友良英

 大友は、フリージャズ、即興演奏、ノイズ音楽、映画音楽など、国内外の多彩なシーンで活動し、つねに表現の可能性を拡張し続けてきた。そのいっぽうで、一般市民や障害のある人々との協働、アジア各国の先鋭的な音楽家とのネットワーク構築など、既存の音楽家が踏み込んでこなかった領域にも果敢に挑戦している。

 2008年には、その活動の集大成ともいえる「大友良英/ENSEMBLES」展をYCAMで開催。この展示を大きな契機として、東日本大震災以降は被災地での市民との協働を様々なかたちで模索し、2012年には芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。また、1990年代から映画やテレビのサウンドトラックも数多く手がけており、2013年にはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽で日本レコード大賞作曲賞を受賞している。

本展に向けた作品制作の様子(2026) 撮影:青山真也

 本展は、大友の創作の基軸であり、アンサンブルの根底にある「即興」をテーマに、大友とYCAM、そして様々なジャンルのアーティスト5名とのコラボレーションによる新作展となる。制作にあたっては、YCAMの研究開発チーム「YCAM InterLab」が共同で参画。建築家・磯崎新が設計したYCAMの建物や周囲の環境に呼応するように、多彩な音や存在が響き合う、即興の豊かな世界が展開される。

 展示作品には、大友の哲学と他者との対話が色濃く反映されている。坂本龍一が生前遺したピアノ演奏の運指データを用い、大友の自動演奏ギターと共演させる新作サウンド・インスタレーション《DUO》をはじめ、Sachiko Mと大友によるユニット「Filament」が手がける野外サウンド・インスタレーション作品《"filaments" in the Park》、さらには美術家・持田敦子とエンジニア・伊藤隆之、そして大友の共作による新作《ダンス》(仮)などが会場を構成する。

大友良英+青山泰知+伊藤隆之《without records》(2008) 撮影:丸尾隆一(YCAM)
大友良英+青山泰知+伊藤隆之《without records》(2008) 撮影:丸尾隆一(YCAM)

 また、本展の開催に先駆け、7月24日からは大友と伊藤、そして美術家・青山泰知との共作によるサウンド・インスタレーション《without records》の先行展示も実施される。大友とYCAMの18年ぶりのコラボレーションによって生まれる「即興」の現場を体感できる場となりそうだ。

編集部