今週末に見たい展覧会ベスト5。下村観山から90年代英国美術、長沢蘆雪まで【2/2ページ】

「春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪」(府中市美術館

 東京・府中の府中市美術館で「春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪」が5月10日まで開催されている。

長沢蘆雪《菊花子犬図》(江戸時代中期)個人蔵 前期・後期展示

 長沢蘆雪は江戸時代中期の画家であり、円山応挙の弟子のひとり。明治時代の美術史において、アイディアと構成力は応挙を上回ると評されるいっぽうで、落ち着きや深みに欠けるとの記述もあったが、後にその覇気が「奇想」として注目された。

 本展では、子犬や動物、子供を描いた作品にみられる「かわいい」表現や、風景、人物、ファンタスティックな世界など、蘆雪の多彩な創作を紹介。作品の根底にある禅の思想や仏教の教えにも着目する。

「メーデイアの鍋」(アートかビーフンか白厨)

 東京・六本木のアートかビーフンか白厨で、磯村暖、佐藤瞭太郎、島田清夏、たかくらかずきによる展覧会「メーデイアの鍋」が開催されている。5月9日まで。

 私たちの社会は、無限や永遠という概念を当然のものとして受け入れてきた。エネルギー開発、宗教、哲学、そして進歩という思想。それらは未来を開くものとして歓迎されてきた。しかし多くの場合、その有用性は時間とともに腐敗し、毒へと変わる。核実験、プラスチック、環境破壊、制度の腐敗。進歩はいつから毒になるのか。そしてそうなりうる未来は想像可能な物差しで測り直すことができるのか。

 現代美術もまた、物質を消費して別の形へと変換しようとする装置だともいえる。伝統という汲み尽くせぬ泉から素材を取り出し、それを別の意味へと変形させる。その行為はメーデイアの鍋のように、再生の希望と不可逆の暴力を同時に含んでいる。本展ではメーデイアを、エネルギーの象徴であり、他者に対する理性の外側にある感情の象徴として捉え、進歩と毒、そのふたつの力のあいだに立つ私たちの現在地を、美術という装置を通して確かめようとする展覧会となっている。

会期:2026年3月27日~5月9日
会場:アートかビーフンか白厨
住所:東京都港区六本木5-2-4 朝日生命六本木ビル2階
電話:03-6434-9367
開館時間:17:00~23:00
休館日:日、月
観覧料:無料