今週末に見たい展覧会ベスト5。下村観山から90年代英国美術、長沢蘆雪まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」展(国立新美術館)展示風景より、右はダミアン・ハースト《後天的な回避不能》(1991)。左はギルバート&ジョージ《裸の目》(1994)

もうすぐ閉幕

「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」(国立新美術館

 東京・六本木の国立新美術館で、「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」展が5月11日まで開催されている。会場のレポートはこちら

展示風景より、コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》(1991)

 本展は、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された英国美術に焦点を当て、約60名の作家によるおよそ100点の作品を通して、1990年代英国美術の創造的なエネルギーとその広がりを検証する試みだ。

 英国ではこれまで、1990年代の美術史は個々の作家の大規模回顧展を通して語られることが多かった。これに対し本展は、少数の作家に絞るのではなく幅広く作品を集め、年代順ではなく主題ごとに作家と作品を編み直した構成が特徴となっている。

会期:2026年2月11日~5月11日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(会期中の金土は〜20:00)※入場は閉館30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学生 1500円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料 ※3月25日~3月27日は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)

「国松希根太 連鎖する息吹」(十和田市現代美術館

 青森県十和田市にある十和田市現代美術館で、北海道を拠点とする彫刻家・国松希根太の美術館での初個展「国松希根太 連鎖する息吹」が5月10日まで開催されている。会場のレポートはこちら

展示風景より、国松希根太《WORMHOLE》(2025)

  国松は1977年北海道生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より北海道中南部の白老から内陸に位置する飛生の旧小学校を改造した「飛生アートコミュニティー」を拠点に制作活動を行っている。長い年月を経て独自のフォルムを形成した木々を使用し作品を制作しており、近年は地平線や水平線、山脈、洞窟などの風景のなかに存在する輪郭(境界)を題材に彫刻や絵画、インスタレーションなどを発表している。

 十和田が位置する北東北と北海道のつながりに目を向けることが企画背景のひとつとなっている本展では、国松の代表作に加え、十和田の自然に出会うことで生まれた新作を披露。さらに飛生アートコミュニティーやAyoro Laboratoryの活動や、国松の父の國松明日香(彫刻家)や祖父の国松登(画家)へと連なる作家の系譜も紹介されている。

会期:2025年12月13日〜2026年5月10日
会場: 十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西2-10-9
電話番号:0176-20-1127
開館時間:9:00〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合はその翌日)、12月30日、31日、1月1日、 1月13日〜16日、2月2日〜6日
料金:一般 1800円(常設展含む) / 高校生以下無料 

「下村観山展」(東京国立近代美術館

 東京・竹橋の東京国立近代美術館で「下村観山展」5月10日まで開催されている。本展は関東圏では13年ぶりとなる下村観山(1873〜1930)の大規模回顧展であり、その全貌を改めて問い直す機会となっている。会場レポートはこちら

展示風景より、下村観山《弱法師(よろぼし)》(1915)

 観山は紀伊徳川家に代々仕える能楽師の家に生まれた。幼くして絵の才を発揮し、橋本雅邦に師事したのち、東京美術学校(現・東京藝術大学)の第1期生として入学。卒業後は同校で教鞭を執るが、校長を務めていた岡倉天心とともに辞職し、日本美術院の設立に参加する。1903年からの約2年間にわたるイギリス留学・欧州巡遊を経て技術をさらに磨き、横山大観、菱田春草らとともに新しい日本美術の地平を切り拓いた。

 観山の名は日本画に親しい者には知られていても、一般的な知名度という点では大観や春草に比べると決して高くはない。その技術と表現の幅の広さを、150点を超える作品群によって再評価する展覧会となっている。