2025年から26年にかけて大阪、東京、名古屋で開催される「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」展。その詳細が発表された。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)の作品は、どのように今日まで伝えられてきたのか。本展は、ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当て、彼の芸術の継承と発展の過程をたどるものだ。会期は25年7月5日〜8月31日(大阪市立美術館)、9月12日〜12月21日(東京都美術館)、26年1月3日~3月23日(愛知県美術館)。
3月13日に東京都美術館で行われた報道発表会にて、同館の学芸員・大橋菜都子は次のように述べている。「ゴッホにとって家族の存在は非常に大きなものでした。もし彼が家族に恵まれていなければ、彼の作品は売られてしまったり、廃棄されたり、あるいは屋根裏に埋もれてしまう可能性がありました。したがって、現在私たちがゴッホの作品を鑑賞できるのは、この家族の尽力があったからこそと言えます」。

フィンセントの作品を支え、その大部分を所蔵していた弟テオは、兄の死の半年後に他界した。その後、テオの妻ヨーが膨大なコレクションを管理し、彼の作品を世に広めるために生涯を捧げた。展覧会への貸し出し、販売、書簡の整理と出版など、多方面にわたる活動を行い、ゴッホの評価を確立するために尽力した。さらに、テオとヨーの息子フィンセント・ウィレムは、作品の散逸を防ぐため、フィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に貢献した。人々の心を癒す彼の絵画は、こうして今日まで受け継がれてきた。
本展では、ゴッホの油彩画約200点や素描約500点を収蔵しているオランダのファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ゴッホの絵画30点以上に加え、日本初公開となる貴重な手紙4通なども展示される。さらに、現在のファン・ゴッホ美術館の活動も紹介し、家族が受け継いできた画家の作品と夢を未来へと伝えていく。