「家族」という視点からゴッホの画業をたどる。大阪、東京、名古屋で開催される「ゴッホ展」が詳細発表【3/4ページ】

 第4章では、ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルが売却した作品に焦点を当てる。彼女はテオの死後、コレクションを管理し、フィンセントの評価を確立するために戦略的に作品を売却した。個人収集家や美術館に販売することで、彼の名声を高める努力を続けた。その詳細は、テオとヨーの会計簿に記録されており、170点以上の絵画と44点の紙作品が特定されている。

報道発表会の投影資料より

 最終章となる第5章では、ファン・ゴッホ美術館のコレクションの充実について紹介する。1973年の開館以来、美術館はバルビゾン派、ハーグ派、象徴主義の作品を収集し、印象派やポスト印象派の作品も加わった。さらに、紙作品の収集にも力を入れ、世界有数のコレクションとなっている。

 この章では、日本初公開となるゴッホの貴重な手紙4通も展示。大橋学芸員は、「ゴッホの手紙は日本でも翻訳され広く知られていますが、紙質が脆弱なため、保存の観点から展示されることは極めて稀です」と話している。この貴重な機会をお見逃しなく。

報道発表会の投影資料より、日本初公開となるゴッホの手紙4通も本展で展示される

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