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ゴッホの《ひまわり》はなぜ名作と呼ばれるのか? ゴーギャンとの出会いがもたらしたもの

フィンセント・ファン・ゴッホを代表する連作「ひまわり」はなぜ「名作」なのか? 複数の「ひまわり」を比較し、考察する。

文=verde

フィンセント・ファン・ゴッホ ひまわり 1888 キャンバスに油彩 92.1×73cm (c) The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1924 ※「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」出品作品

 ゴッホと言えば、ひまわり。ひまわりと言えばゴッホ。この両者ほど、強く結びついている組み合わせはないだろう。

 そして、「ゴッホの代表作」「ゴッホのヒマワリ」と言ったときに、必ず一番に連想されるのが、現在、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」で展示されている《ひまわり》である。これは、ゴッホの代名詞的作品として、名高いだけではない。彼の友人ゴーギャンからも、「フィンセント(ゴッホ)の作風を本質的に表した完璧な一枚」(展覧会カタログ、p.230)と評されている。

 彼にこのように言わしめたものとは、一体なんなのだろう。なぜ、ゴッホの数百点もの作品のなかで、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵するバージョン(以下、ロンドン版)が、特別な位置を占めているのだろうか。その理由について、探ってみよう。

フィンセント・ファン・ゴッホ 麦わら帽子を被った自画像 1887 メトロポリタン美術館蔵

ゴッホと「花」モチーフ

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