米谷健+ジュリア「CRYSTAL PALACE」がart cruise galleryで開催

注目を集めるアーティストユニット・米谷健+ジュリアによる個展「CRYSTAL PALACE」がart cruise galleryで開催。ウランガラスでつくられたシャンデリアのインスタレーションが披露される。

クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会 ©Ken + Julia Yonetani, Courtersy of the Artists and Mizuma Art Gallery

 株式会社ベイクルーズが運営する虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内のアートギャラリー「art cruise gallery by Baycrew’s」で、第6回展示として米谷健+ジュリアの個展「CRYSTAL PALACE」が開催される。

 米谷健+ジュリアは元金融ブローカーと元大学の歴史学者という異色のアートユニット。現在は京都を拠点に、有機農業も営みつつ制作活動を行っている。インスタレーション、パフォーマンス、立体や映像など様々な表現方法で、環境問題や社会問題を美的かつユーモアあふれる作品に変換し、国際的にも高い評価を受けているアーティストユニットだ。これまで「ヴェネチア・ビエンナーレ 2009」(豪州代表)、「シンガポールビエンナーレ 2013」「江原国際トリエンナーレ 2024」などに参加。またオーストラリア国立美術館や角川武蔵野ミュージアムなどで個展を行ってきた。

 本展では、代表作であるウランガラスを用いたシャンデリアのインスタレーション《クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会》を展示。同作は、一点一点に原発保有国の名前がつけられており、作品のサイズはその国の原発からつくり出される電力の総出力規模(メガワット:IAEA資料参考)に比例する。

クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会 ©Ken + Julia Yonetani, Courtersy of the Artists and Mizuma Art Gallery

 1851年に開催された世界初の万博、ロンドン万国博覧会の会場としてハイドパークに建てられた全面ガラス張りの巨大建造物「クリスタルパレス(水晶宮)」に由来するこの作品。世界中で展開される産業政策と経済発展の影に存在する問題を、ウランガラス特有の妖しくも美しい緑の光を放ちながら照らし出し、問いかける。

編集部

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