仕事をしながらバケーションを楽しむという新しい働き方として注目されている「ワーケーション」。そんななか、「田園とアート」をテーマにした「ワーケーションリゾート・鶴岡 〜田園とアートの遭遇〜」のイベント、アクティビティが12月4日から山形県鶴岡市でスタートする。
庄内平野ののどかな田園と鮮やかな自然に囲まれた鶴岡市。プリツカー賞の受賞建築家・坂茂によって設計されたホテル「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(スイデンテラス)」を拠点に、アート作品展示やナイトタイムのスペシャルイベント、そしてデイタイムにはこの土地ならではの体験アクティビティなどが展開される。
田園に浮かぶ同ホテルでは、ワーケーションを彩る現代アート作品が常時展示。12月4日〜20日の期間中には、今年京都市京セラ美術館で個展「Full Lightness」を行った鬼頭健吾と、現在角川武蔵野ミュージアムで個展を開催中の米谷健+ジュリアによるインスタレーションが登場する。
日常的な既製品を用いた、大規模なインスタレーションや立体作品、絵画、映像などを発表することで知られている鬼頭は、《untitled(hula-hoop)》を展示。大量のフラフープが幾重にも重なって立体的に構成され、その回転や循環を色彩豊かに表現したインスタレーションは、生命の輝きや宇宙の広がりをも象徴するものだ。
いっぽう、環境問題や社会問題をテーマに、素材を活かしたインスタレーションやパフォーマンス、写真、映像、立体など、多岐にわたる表現で作品を制作する米谷健+ジュリアの《3つの願い》は、オルゴールの音に合わせ光輝く妖精が回転する作品。放射能汚染の生物学的影響について調査を行う琉球大学大瀧研究室の協力を得て制作された同作には、福島第一原発の事故によって影響を受けたヤマトシジミの羽が用いられており、幻想的で愛らしい様子を見せながら、科学技術の脅威についても考察することができる。
また、会期中のナイトタイムには、佐藤朋子や佐宗邦威をゲストに迎えるスペシャル・トークセッションや、原良介が講師を務めるワークショップも開催。そのほか、バンクシーのドキュメンタリー『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』やリヒターやクーンズらがアートマーケットについて語る映画『アートのお値段』も上映される。
加えて、10月にオープンした「ピノ・コッリーナ ファームガーデン&ワイナリー松ヶ岡」での庄内ネギの“カルソッツ”クッキングプログラムやベビーリーフ収穫体験とランチ、羽黒山スピリチュアル体験、湯野浜温泉入浴とランチ、おやすみナイトヨガなどの地域アクティビティにも参加可能。開放的な田園風景のなかで、感性を解き放つ、非日常的な日常を体験してみてはいかがだろうか。