横尾忠則の完全新作102点を一挙に公開。「横尾忠則 寒山百得」(東京国立博物館 表慶館)
現在87歳の横尾忠則が2021年9月から23年6月までの期間で制作した未発表の完全新作102点を一挙に公開した展覧会「横尾忠則 寒山百得」が、東京国立博物館 表慶館で開催されている。レポート記事はこちら。
本展で展示されているのは、横尾が2019年から取り組んでいる、「寒山拾得(かんざんじっとく)」をモチーフにした新シリーズ。中国・唐の時代に生きたふたりの伝説の風狂僧、寒山と拾得を指し、歴史的に数多く描かれてきたこの画題を横尾が独自に解釈した作品の数々は、あらゆる世界を縦横無尽に駆け巡るような、時空を超えた物語が紡ぎ出されている。また、鑑賞者は自由に見て、解釈することも可能だ。
会期:2023年9月12日~12月3日
会場:東京国立博物館 表慶館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、9月19日、10月10日(9月18日、10月9日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円 / 中学生以下 無料
「超絶技巧」を一堂で見ることができる。「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」(三井記念美術館)
三井記念美術館を皮切りに2014年から15年にかけて全国を巡回した「超絶技巧!明治工芸の粋」展。この「超絶技巧」シリーズの第3弾である特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」が始まっている。レポート記事はこちら。
本展は、「超絶技巧」を持つ17名の現代作家と明治工芸を一堂に紹介するもの。本郷真也、福田亨、池田晃将、稲崎栄利子、大竹亮峯、長谷川清吉などの現代作家による多種多様な表現のほか、会場では七宝、金工、漆工、木彫、陶磁、刺繍絵画などの明治工芸57点も展示。脈々と受け継がれ、たしかな思想をまとって洗練されてきたこの国の超絶技巧を一堂で見ることができる展覧会だ。
会期:2023年9月12日~11月26日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(9月18日、10月9日は開館)、9月19日、10月10日
観覧料:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料
吉岡徳仁の「炎の彫刻」。「吉岡徳仁 FLAME ガラスのトーチとモニュメント」(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3)
TOKYO 2020 オリンピックのために制作された桜モチーフの「聖火リレートーチ」などのプロジェクトでも知られているデザイナー/アーティストの吉岡徳仁。その新作発表展となる「吉岡徳仁 FLAME ガラスのトーチとモニュメント」が東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3でスタートした。レポート記事はこちら。
本展では、吉岡による、炎から放たれる「光」に着目したふたつの新作が初めて披露。ひとつは、透明のトーチで炎が空中に浮遊するように設計された《ガラスのトーチ》(2022)。もうひとつは、屋外に展示されている、同じく点火をすると炎が浮遊するように見える《ガラスの炬火台》(2022)だ。いずれも美しい造形を持ちながらも、炎そのものを際立たせるためのデザインとなっている。
会期:2023年9月14日〜11月5日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00〜19:00 ※最終入場は18:50まで
休館日:火
料金:無料
ヒンドゥーの神々にささげる愛に迫る。「交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界」(国立民族学博物館)
多神教として知られ、約11億人とされる教徒を擁するヒンドゥー教。そんなヒンドゥー教の信仰にまつわる立体像や絵画、製品の数々を見ることができるのは、大阪・吹田の国立民族学博物館で開催中の特別展「交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界」だ。レポート記事はこちら。
本展は、ヒンドゥーの神々の姿を表した、様々な素材による神像を紹介することを通じ、神と人との交流、神にささげる愛や願いのかたちに迫るもの。「神がみの世界へのいざない」「神がみとの交感」「交感の諸相」「ときの巡り」の4章で構成された会場では、約600点の資料が並んでいる。
会期:2023年9月14日〜12月5日
会場:国立民族学博物館
住所:大阪府吹田市千里万博公園10-1
電話番号:06-6876-2151
開館時間:10:00〜17:00 ※最終入場は16:30まで
休館日:水
料金:一般 880円 / 大学生 450円 / 高校生以下無料
「物質的想像力」を掻き立てる。「GO FOR KOGEI 2023」(富⼭県富⼭市富岩運河沿い)
富山、石川、福井の3県にまたがる広域が舞台となる北陸工芸の祭典として2020年にスタートした「GO FOR KOGEI」。今年4回目の開催を迎える同祭が9月15日に始まった。
今年は、「物質的想像力と物語の縁起ーマテリアル、データ、ファンタジー」というテーマのもと、絵具だけでなく土、布、鉄など様々な物質を使用する26作家の作品を紹介。会場構成もこれまでと異なり、富山市の中心部から富山湾までの約5kmにわたる富岩運河沿いにある「環水公園エリア」「中島閘門(こうもん)エリア」、そして「岩瀬エリア」で展開されており、徒歩や路面電車、観光船などでめぐりながら鑑賞するというスタイルだ。
会期:2023年9⽉15⽇〜10⽉29⽇
会場:富⼭県富⼭市富岩運河沿い(環⽔公園エリア、中島閘⾨エリア、岩瀬エリア)
開館時間:10:00〜16:30 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:樂翠亭美術館(⽔)、富⼭県美術館(⽔、9月19日)、KOBO Brew Pub(⽕)ほかは会期中無休 ※なお臨時休館・開館する場合あり。詳細は公式サイト等を確認のこと
料金(ガイドブック付き):⼀般 2500円 / ⾼校⽣ 1500円
お台場と人をアートでつなぐ。「ARTBAY TOKYO アートフェスティバル2023〜CIRCULATION〜」(東京・お台場エリア)
臨海副都心エリアを舞台に、人と場所をアートでつなぐ芸術祭「ARTBAY TOKYO」。第2回目の開催となる今年は、9月15日〜24日の10日間にわたり、お台場で開催されている。
開催エリアは、花の広場/⽯と光の広場(シンボルプロムナード公園内)、テレビ朝日施設建設予定地、夢の大橋、BMW GROUP Tokyo Bay、夢の広場(シンボルプロムナード公園内)、⽇本科学未来館の6エリア。⻑場雄の作品展示や、吉⽥⼭がキュレーションし、建築コレクティヴ「GROUP」が会場パビリオンを制作した屋外での展覧会のほか、⽯⽑健太、藤倉⿇⼦、細井美裕、渡辺志桜⾥などの新進の現代美術作家による仮設のビオトープ(⽣物空間)を楽しむこともできる。
会期:2023年9⽉15⽇〜24⽇
会場:花の広場/⽯と光の広場(シンボルプロムナード公園内)、テレビ朝日施設建設予定地、夢の大橋、BMW GROUP Tokyo Bay、夢の広場(シンボルプロムナード公園内)、⽇本科学未来館
カルティエのウォッチメイキング世界に入り込む。「TIME UNLIMITED - カルティエ ウォッチ 時を超える」(東京・原宿)
世界を代表するジュエリーブランドとして知られるカルティエ。そのウォッチメイキングに特化した没入体験型の展覧会「TIME UNLIMITED - カルティエ ウォッチ 時を超える」が原宿のイベントスペースでスタートした。レポート記事はこちら。
本展は、香港、北京、ソウルに続いて東京で開催される世界巡回展。会場は「パイオニア精神」「フォルム」「デザイン」「美を⽀える技術」の4セクションで構成されており、カルティエの歴史やものづくりを紹介する巨大な映像やインスタレーションのほか、俳優のジェイク・ギレンホールが演じるショートムービーや、カルティエのウォッチを実際に試着できる「タッチ&トライ」など多彩なコンテンツも用意されている。
会期:2023年9月15日〜10月1日
住所:東京都渋谷区神宮前6-35-16
開館時間:12:00〜20:00 ※最終入場は19:30まで
休館日:9月12日の12:00〜16:00は貸し切りのためクローズ
料金:無料(予約制) ※入場にはカルティエLINE公式アカウントより事前予約が必要
スペシャルサイト:http://cartier-timeunlimited.jp/ ※モバイル版のみ
内藤廣の創作を総覧する。「建築家・内藤廣/Built と Unbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」(島根県立石見美術館)
日本を代表する建築家のひとり、内藤廣。その過去最大規模の個展「建築家・内藤廣/Built と Unbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」も3連休にチェックすべき展覧会だ。
会場となるのは、内藤が設計した島根県芸術文化センター「グラントワ」内・島根県立石見美術館。「Built 内藤廣の建築」「Unbuilt 内藤廣の思考」「BuiltとUnbuilt をつなぐもの」「内藤廣の言葉」の4セクションで構成された本展では、内藤の初期から近作までの建物のみならず、今回初公開となるものも含めた「アンビルト(実際には建てられていない)建築」の設計図面や模型などを観覧することができる。
会期:2023年9月16日~12月4日
会場:島根県立石見美術館(島根県芸術文化センター「グラントワ」内)展示室A・C・D
住所:島根県益田市有明町5-15
電話番号:0856-31-1860
開館時間:9:30~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:火
料金:一般 1200円 / 大学生 600円 / 小中高生 300円 / 未就学児入場無料
杉本博司の本歌取りの新展開。「杉本博司 本歌取り 東下り」(渋谷区立松濤美術館)
2022年に本歌取りをテーマにし、姫路市立美術館で開催された杉本博司の展覧会「本歌取り―日本文化の伝承と飛翔」。これを新たに展開させた展覧会「杉本博司 本歌取り 東下り」が、渋谷区立松濤美術館で開催される。
本歌取りとは、本来、和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌(本歌)の一部を意識的に自作に取り入れ、そのうえに新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌をつくる手法のことを指す。本展では、東国への旅中に旅人が目にする雄大な富士山を描いた葛飾北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》を本歌とした新作《富士山図屏風》や、中国南宋〜元時代の画家・牧谿の水墨画技法を本歌とした《カリフォルニア・コンドル》など、杉本の本歌取りの代表的作品などが見どころだ。
会期:2023年9月16日〜11月12日(前期9月16日〜10月15日、後期10月17〜11月12日)
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
電話番号:03-3465-9421
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(9月18日、10月9日は開館)、9月19日、10月10日
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 高校生・60歳以上 500円 / 小・中学生 100円
門外不出の作品も来日。「永遠の都ローマ展」(東京都美術館)
イタリアのカピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介する「永遠の都ローマ展」が、9月16日に東京都美術館でスタートする。
本展は、5章と特別展示「カピトリーノ美術館と日本」によって構成され、ローマ建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画などが展示。来年福岡市美術館でも巡回予定の本展は、東京会場限定で古代ローマ彫刻の傑作《カピトリーノのヴィーナス》が展示され、カピトリーノ美術館以外では滅多に見る機会がない門外不出の作品だ。
会期:2023年9月16日〜12月10日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600
開室時間:9:30〜17:30(金〜20:00)※入室は閉室の30分前まで
休室日:月、9月19日、10月10日(ただし、9月18日、10月9日は開室)
料金:一般 2200円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1500円
平安時代の数々の仏像が集結。特別展「京都・南山城の仏像」(東京国立博物館)
浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念として特別展「京都・南山城の仏像」が東京国立博物館で開催される。
京都府の最南部、木津川に育まれた一帯は南山城と呼ばれる。独自の仏教文化が花開いたこの地には奈良時代や平安時代に創建された古刹が点在し、そこには優れた仏像が伝えられた。平安時代に貴族たちが極楽往生を願い、九体阿弥陀(9体の阿弥陀如来像)を阿弥陀堂に安置することが流行し、九体寺とも呼ばれる浄瑠璃寺には当時の彫像・堂宇が唯一現存している。
本展では、南山城に伝わる国宝、重要文化財をはじめとする数々の貴重な仏像を通じて、その歴史や文化の奥深さをたどる。
会期:2023年9月16日~11月12日
会場:東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開室時間:09:30~17:00
休室日:月、9月19日、10月10日(9月18日、10月9日は開館)
料金:一般 1500円 / 大学生 800円 / 高校生 500円
昨年話題となった「月」が再び下北沢に出現する。「ムーンアートナイト下北沢 2023」(東京・下北沢)
「月」をテーマにしたアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢」。今年も東京・下北沢で開催される。
昨年の初開催で約32万人を動員したこのフェスティバル。2回目となる今年は、フェスティバルのシンボル作品である「月」と「ウサギ」の屋外展示のほか、現代アーティストの鬼頭健吾、ルーク・ジェラム、アマンダ・パーラー、Metaani、天野雛子の5名による作品が街中に設置される。また、下北線路街を含む地域に根差した施設・店舗による特別イベントも実施され、屋外アートを楽しみながら秋の夜を過ごしてみてはいかがだろうか。
会期:2023年9月16日~10月1日
会場:下北線路街、カトリック世田谷教会、シモキタエリアの施設や店舗など
料金:無料(一部有料) ※東北沢駅屋上への入場は有料チケット(500円)が必要
日下部民藝館と落合陽一の共演。「落合陽一 ヌル即是計算機自然:符号化された永遠, オブジェクト指向本願」(日下部民藝館)
メディア・アーティスト落合陽一と岐阜県高山市の日下部民藝館による特別展「落合陽一 ヌル即是計算機自然:符号化された永遠, オブジェクト指向本願」が、9月17日より開催される。
本展では、日下部民藝館を巨大な曼荼羅に見立て、空間に浮遊する真言密教的モチーフと過去の肉声を組み合わせたインスタレーションを展開。オブジェクト指向という点で落合が探求している「デジタルネイチャー」と共通する真言的曼荼羅世界の森羅万象を表現するほか、落合が本展のために新たに手掛けた「オブジェクト指向菩薩」が曼荼羅のなかの大日如来に対をなす存在として、自然と生命の全体を理解する新たな視点を提示する。
会期:2023年9月17日〜11月5日
会場:日下部民藝館
住所:岐阜県高山市大新町1-52
開館時間:10:00〜16:00
休館日:火
料金:一般 1500円 / 高・大生 1000円 / 小中学生 500円 / 未就学児無料
米軍基地を擁する青森県三沢市の記憶をたどる。「外が静かになるまで」(space)
十和田市現代美術館のサテライト会場「space」で、演劇と写真を横断するアーティスト・三野新の個展「外が静かになるまで」が行われる。
三野は以前から日本に駐留する米軍の存在へと関心を寄せ、沖縄を題材とした作品も発表してきた。今回は、同じく米軍基地を擁する青森県三沢市へのリサーチを実施し、展覧会に向けて、リサーチから新たに戯曲をつくり上げ、インスタレーションとして発表する。
会期: 2023年9月16日〜12月17日
会場:space(十和田市現代美術館サテライト会場)
住所:青森県十和田市西三番町 18-20
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月(祝の場合は翌平日) ※十和田市現代美術館の休館日に準じる
料金: 無料
「不思議の国」への入り口。「Yokoo in Wonderland―横尾忠則の不思議の国」(横尾忠則現代美術館)
東京国立博物館で個展を開催している横尾忠則。神戸の横尾忠則現代美術館でも、9月16日から横尾の世界を堪能できる新たな展覧会が始まる。
「Yokoo in Wonderland―横尾忠則の不思議の国」と題されたこの展覧会は、横尾作品のなかの「不思議」に着目し、現実の延長にあるもうひとつの世界をルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」になぞらえて紹介するもの。「不思議の国」「鏡の国」「夢の国」の3章を通じ、鑑賞者を異世界へと誘う。
会期:2023年9月16日〜12月24日
会場:横尾忠則現代美術館
住所:神戸市灘区原田通3-8-30
電話番号:078-855-5607
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は17:30まで
休館日:水
料金:一般 700円 / 大学生 550円 / 70歳以上 350円 / 高校生以下無料
草間作品に見られるサイケデリック性。「草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界」(草間彌生美術館)
今週開幕した展覧会のほか、閉幕する展覧会にも注目したい。9月18日まで草間彌生美術館で行われている「草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界」展は必見のひとつだ。レポート記事はこちら。
本展は、草間の作品世界に見られるサイケデリック性に着目したもの。六角形のミラールームのシリーズ最新作《平和への願望はひとつひとつ輝くばかり》や、60年代から90年代前半の絵画と立体、草間の自己消滅を身をもって体感できるインスタレーション《I’m Here, but Nothing》など、草間の幻覚のヴィジョンと時代の精神をぜひ会場で堪能してほしい。
会期:2023年4月29日~9月18日
会場:草間彌生美術館
住所:東京都新宿区弁天町107
開館時間:11:00~17:30 ※日時指定の予約・定員制(各回90分)。チケットは美術館ウェブサイトのみで販売。美術館窓口での取り扱いなし
料金:一般 1100円 / 高校・中学・小学生 600円 / 未就学児 無料
現代社会の写し鏡。「Alex Da Corte Fresh Hell アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」(金沢21世紀美術館)
アメリカ人アーティスト、アレックス・ダ・コルテのアジアの美術館としては初となる展覧会「Alex Da Corte Fresh Hell アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」が、9月18日に金沢21世紀美術館で閉幕する。レポート記事はこちら。
アレックス・ダ・コルテは、人気アニメーションのキャラクターや美術史上の人物に自ら扮し、メディアを通して伝えられる「イメージ」とはいったいなんなのか問いかける作品でも知られている。本展では、最新作を含めた全11点の作品が紹介。展示作品のほとんどが、大きなテレビを模した箱に収められた映像インスタレーションとなっていることも見どころのひとつだ。
なお、同館では工藝美術家・池田晃将(いけだ・てるまさ)の個展「虚影蜃光 - Shell of Phantom Light」と、新進気鋭の写真作家・顧剣亨(こ・けんりょう)の個展「アペルト18 顧剣亨 陰/残像」も同時に閉幕する。あわせてチェックしてほしい。
会期:2023年4月29日〜9月18日
会場:金沢21世紀美術館
住所:金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00)
料金:一般 1200円 / 大学生 800円 / 小中高生 400円
人間国宝の精緻な仕事を堪能する。「中川 衛 美しき金工とデザイン」(パナソニック汐留美術館)
金沢を拠点に活動する金工作家であり、重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝)である中川衛。その初期から最近までの活動をまとめて見ることができるのは、9月18日までパナソニック汐留美術館で開催されている「中川 衛 美しき金工とデザイン」だ。レポート記事はこちら。
本展では、中川の初期の象嵌作品(象嵌とは、金属の表面を鏨で彫り、できた溝に異なる金属をはめこんで模様を作り出す技法)から最新作までを展覧するとともに、1970〜80年代に手がけたプロダクトデザイン、金工の道に進む原点となった加賀象嵌の名品、現代アーティストとのコラボレーション、中川から技を受け継ぐ次世代の作品まで、作品と資料を合わせて約130点が紹介されている。
会期:2023年7月15日~9月18日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(8月4日、9月1日、15日、16日は〜20:00)
料金:一般 1200円 / 65歳以上 1100円 / 大学生・高校生 700円 / 中学生以下無料
中園孔二創作の生命力を感じとる。「中園孔二 ソウルメイト」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
25年という短い生涯で、多彩な絵画表現を行った中園孔二。瀬戸内をのぞむ土地柄に惹かれて移住し、没するまでの半年あまりを過ごした香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で、過去最大規模の個展が9月18日まで行われている。レポート記事はこちら。
見る者に鮮烈な印象を与える絵画を多彩なバリエーションで表した中園。本展では、9年間で残した作品から、220点の油彩やアクリルなどのペインティング作品、ドローイングやメモを書き込んだノート約70冊、書籍などライブラリー資料を展示。これらの作品とともに、中園が見ていた 「ひとつのもの」が立ち現れる。
会期:2023年6月17日〜9月18日
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 3階展示室C
住所:香川県丸亀市浜町80-1
電話番号:0877-24-7755
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は17:30まで
料金:一般950円 / 大学・高校生650円 / 高校生以下または18歳未満、丸亀市在住の65歳以上、各種障害者手帳をおもちの方とその介護者1名は無料
衣・食・住の観点から民藝をとらえ直す。「民藝 MINGEI─美は暮らしのなかにある」(大阪中之島美術館)
いまから約100年前、柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎によってつくられた美の概念「民藝」。その現在進行形の姿に迫る企画展「民藝 MINGEI─美は暮らしのなかにある」が、9月18日まで大阪中之島美術館で開催されている。
本展は、衣・食・住の観点から、民藝が持つ「私たちの生活に身近なもの」という側面に光を当てるもの。日本民藝館の所蔵作品を中心に約150件が展示されている。また、いまに続く民藝の産地を訪ね、そこで働くつくり手と、受け継がれている手仕事も紹介されており、現代のライフスタイルと民藝をいかに融合することができるのかを知ることができる。
会期:2023年7月8日〜9月18日
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
住所:大阪市北区中之島4-3-1
電話番号:06-4301-7285
開館時間:10:00 〜 17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(7月17日、9月18日は開館)、7月18日
料金:一般 1700円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料