EXHIBITIONS

中園孔二 ソウルメイト

中園孔二 無題 制作年不明 Photo by Kenji Takahashi
© Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery

中園孔二 無題 2014 Photo by Kenji Takahashi
© Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery

中園孔二 無題 2009 Photo by Kenji Takahashi
© Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery

 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で 「中園孔二 ソウルメイト」が開催されている。

 中園孔二は1989年神奈川県生まれ。2012年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。関東を拠点に制作活動を行ったのち、瀬戸内をのぞむ香川県の土地柄に魅かれ2014年末に移住。翌年2015年に香川県瀬戸内海沖にて消息不明となり他界。

 主な個展に 「中園孔二展 外縁―見てみたかった景色」(横須賀美術館、神奈川、2018)、 「中園孔二展」(小山登美夫ギャラリー、東京、2013)、主なグループ展に 「Japanorama: A new vision on art since 1970」(ポンピドゥー・センター・メス、フランス、2017)、 「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館、2016)、 「絵画の在りか」(東京オペラシティ アートギャラリー、2014)などがある。

 見る者に鮮烈な印象を与える絵画を多彩なバリエーションで表した中園。生み出された絵画の数々は、中園の内的必然性にもとづくものであるとともに、現代社会の過剰なイメージの奔流も思わせる。

「僕が何かひとつのものを見ている時、隣で一緒になって見てくれる誰かが必要なんだ」。中園はノートにこのような言葉を書き留めていた。本展タイトルにある 「ソウルメイト」とは、中園が日々の思いや考えなどを書き留めていたノートのなかに繰り返し出てくる言葉であり、彼が必要としていた 「隣で一緒になって見てくれる誰か」、 すなわち自身の世界観や感性を分かち合う親密なる存在という意味で用いられている。

 本展は、最後を過ごした香川県において、過去最大規模の個展として約200点の作品を一堂に紹介。それら無数の絵画とともに、中園が見ていた 「ひとつのもの」が立ち現れる。