2019年、東京・六本木の国立新美術館で「カルティエ、時の結晶」展を開催し、話題を集めたカルティエ。世界を代表するジュエリーブランドとして知られるカルティエが、ウォッチメイキングに特化した没入体験型の展覧会「TIME UNLIMITED - カルティエ ウォッチ 時を超える」を原宿のイベントスペースで開催している。会期は10月1日まで。
本展は、香港、北京、ソウルに続く4都市目として、東京で開催される世界巡回展。会場デザインを手がけたのは、フランス系カナダ人のデザイナーであるヴィロ・ペロンであり、会場は「パイオニア精神」「フォルム」「デザイン」「美を⽀える技術」の4セクションで構成されている。
会場に入ってすぐ、巨大な映像インスタレーションが来場者を出迎える。この最初のセクション「パイオニア精神」では、カルティエの黎明期、カルティエファミリーがいかにしてメゾンの進化を促したのかにフォーカスしている。とくに、世界で初めての実用的腕時計である「サントス」誕生の背景や、名作「タンク」の誕生にかかわった3代目ルイ・カルティエの功績を知ることもできる。
次のセクション「フォルム」は、時計の内部を思わせる空間が印象的だ。カルティエのウォッチの独特なフォルムをイメージにしたこのエリアでは、「カルティエ コレクション」から選ばれたアーカイヴピースを含む約50本のウォッチが並んでおり、それぞれが持つフォルムのユニークさをじっくり見ることができる。
第3のセクション「デザイン」では、カルティエのシグネチャーと言える、「タンク」「サントス ドゥ カルティエ」「パンテール ドゥ カルティエ」「バロンブルー」の4つのアイコンウォッチを取り上げ、メゾンのクリエイション理念を表した映像とともに紹介している。
次の展示室に進む前に、ひとつの映像作品を楽しんでみよう。ノルウェー人写真家ソルヴァ・スンツボが監督を務め、俳優のジェイク・ギレンホールが演じる、「時に関する」ショートムービーだ。「Time to focus(集中する時間)」「Time to dream(夢を見る時間)」など12のテーマを通じ、メゾンと時間との関係を魅力的に表現している。
最後のセクション「美を⽀える技術」は、「タイムトンネル」のようなインスタレーションが特徴的だ。映像と音を通じ、メゾンの時計制作におけるサヴォアフェール(職人技)や技術に関する様々なエピソードを紹介している。
また、本展ではカルティエのウォッチを愛用する俳優・渡辺謙や時計愛好家の山田五郎などが会場コンテンツを案内するオーディオガイドを視聴することができる。隣接する会場では、カルティエのウォッチを実際に試着できる「タッチ&トライ」やフォトブース、そして、スイスにあるカルティエの工房をVRで紹介するコンテンツを楽しむこともできる。カルティエのウォッチメイキングを存分に堪能できる機会をお見逃しなく。