ARTISTS

吉岡徳仁

Tokujin Yoshioka

 吉岡徳仁は1967年佐賀県生まれのデザイナー、アーティスト。桑沢デザイン研究所卒業後、倉俣史朗と三宅一生に師事。パリ・コレクションのアクセサリーデザイン、「Energieen」展(ステデリック美術館、オランダ、1990)や、世界を巡回した「ISSEY MIYAKE MAKING THINGS」展(1998〜2000)をはじめとする展覧会など、「ISSEY MIYAKE」との共同プロジェクトを多数行う。

 2000年に吉岡徳仁デザイン事務所を設立。主な代表作に、120枚の薄紙を用いたハニカム構造の椅子《Honey-pop》(2001)、光の造形を表現したガラスプロジェクト《雨に消える椅子》(2002)、《Waterfall》(2005〜06)、《Water Block at Musée d'Orsay》(2011)や、ロザリオ礼拝堂から着想を得た《虹の教会 – Rainbow Church》(2010、2013)。詩的かつ実験的な作品が国際的に高く評価され、デザインマイアミ/デザイナー・オブ・ザ・イヤー、エル・デコ・インターナショナル・デザイン賞/デザイナー・オブ・ザ・イヤー、Maison & Objet/クリエイター・オブ・ザ・イヤーなどを受賞。作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やポンピドゥー・センター、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)などに収蔵されている。

 また、高度経済成長期に建てられた住宅建築をリノベーションする「MUJI INFILL+」、古い構造体から新しい建築を生み出す「Transforming a Japanese House」などの建築プロジェクトにも取り組むほか、「ISSEY MIYAKE」「Cartier」「Swarovski」「LOUIS VUITTON」「HERMÈS」などの空間や、家具、照明器具のデザインも手がける。11年の第54回ヴェネチア・ビエンナーレで発表された《ガラスの茶室 − 光庵》を、15年に京都・天台宗青蓮院門跡将軍塚青龍殿、18年に佐賀県立美術館で展示。2020年東京オリンピックの聖火リレートーチのデザインを手がけた。