空海の生誕1250年記念特別展が24年春に奈良国立博物館で開催へ。国宝《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》を修理後初公開

奈良国立博物館が、弘法大師・空海(774〜835)の生誕1250年を記念する展覧会「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」を開催する。会期は2024年4月13日〜6月9日。

国宝 両界曼荼羅(高雄曼荼羅)のうち 金剛界〔部分〕 平安時代(9世紀) 京都・神護寺

 弘法大師・空海(774〜835)の生誕1250年を記念し、空海が真言密教の歴史と魅力を紹介する展覧会「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」が、2024年4月13日〜6月9日の会期で奈良国立博物館にて開催される。

 2019年、空海にまつわる数々の名宝をはじめ、京都の東寺に伝わる文化財の全貌を紹介する特別展「国宝 東寺ー空海と仏像曼荼羅」が上野の東京国立博物館で開催されたことがまだ記憶に新しい。同展は、延べ46万人以上の総入場者数を記録し、空海が密教の教えを視覚化するために構想した東寺講堂の「立体曼荼羅」を構成する21体の仏像から史上最多の15体が並んだことは大きな話題を呼んだ。

国宝 両界曼荼羅(西院曼荼羅〈伝真言院曼荼羅〉)のうち金剛界 平安時代(9世紀) 京都・教王護国寺(東寺)
国宝 両界曼荼羅(西院曼荼羅〈伝真言院曼荼羅〉)のうち胎蔵界 平安時代(9世紀) 京都・教王護国寺(東寺)

 今回、奈良国立博物館での展覧会は、空海が日本にもたらした密教の全貌を解き明かすとともに、密教の「マンダラ空間」を展示室に展開し、国宝・重要文化財を含む様々な作品を紹介するもの。詳細は10月2日に東京都内で開催予定の記者発表会で発表されるが、「密教とはーー空海の描いた世界」「密教の源流ーー陸と海のシルクロード」「空海入唐と恵果との出会いーー胎蔵界と金剛界の融合」「空海の帰国 神護寺と東寺ーー密教流布と護国」「金剛峯寺と弘法大師信仰」の5章で構成されるという。

 本展のハイライトとしては、平安時代、淳和天皇の発願のもと空海が制作を指導した現存最古の曼荼羅で、京都・神護寺が所蔵する国宝《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》を修理後初めて公開。「胎蔵界曼荼羅」と 「金剛界曼荼羅」の2幅からなり、いずれも約4メートル四方の大きさを誇る。

国宝 両界曼荼羅(高雄曼荼羅)のうち 金剛界 平安時代(9世紀) 京都・神護寺
国宝 両界曼荼羅(高雄曼荼羅)のうち 胎蔵界 平安時代(9世紀) 京都・神護寺

 また、国宝《両界曼荼羅(西院曼荼羅〈伝真言院曼荼羅〉)》(京都・教王護国寺(東寺)蔵)や国宝《五智如来坐像》(京都・安祥寺蔵)、国宝《諸尊仏龕》(和歌山・金剛峯寺蔵)、国宝《聾瞽指帰 下巻》(和歌山・金剛峯寺蔵)、国宝《金剛般若経開題》(奈良国立博物館蔵)など、数々の国宝も出品され、まとめて見ることができる貴重な機会だ。

国宝 聾瞽指帰 下巻 平安時代(8〜9世紀) 和歌山・金剛峯寺

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