4.12×3.99mにおよぶ刺繡でつくられた《刺繡當麻曼荼羅(ししゅうたいままんだら)》は、京都・真正極楽寺が所蔵する仏画だ。そしてこのたび真正極楽寺、独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館、凸版印刷株式会社が協働し、本作を高精細デジタル撮影。微細な凹凸の質感をとらえるデジタルアーカイブを実現した。
VRコンテンツ『刺繡當麻曼荼羅』は、光源の変化によって表情が変わる刺繡糸の質感を、凸版印刷の独自技術により再現し、繡仏の光沢や刺繡技法を鑑賞するというもの。取得したデジタルアーカイブデータによって、約250年前の作品の輝きをふたたび見ることができる。本コンテンツは2018年7月14日から8月26日まで奈良国立博物館で開催中の修理完成記念特別展「糸のみほとけ-国宝綴織當麻曼荼羅と繡仏-」で公開されている。
なお、凸版印刷はこれまでに国宝《鑑真和上坐像》や《檜図屛風》など、国内外の数々の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んできた。加えて、国宝《洛中洛外図屛風》や重要文化財《東征伝絵巻》など文化財の高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータをとおして、様々な表現手法の開発も推進。今後の展開が期待される。