京都を代表する寺院・東寺が所蔵する国宝16体、重要文化財5体の合計21体の仏像で構成される立体曼荼羅。今回、東京国立博物館と凸版印刷が、弘法大師空海が独自に構想したこの立体曼荼羅を、VR作品《空海 祈りの形》によって再現した。
この立体曼荼羅は、空海が日本で完成させた真言密教の歴史と、東寺講堂に安置されている平安時代前期の密教彫刻の最高傑作と言われている。本作を制作するにあたって凸版印刷は、立体形状計測と高精細デジタル撮影によるデジタルアーカイブを実施。同社が誇るVR技術によって仏像すべてを高精細に再現し、現地では見ることが困難な角度や位置から1体1体を拡大することを可能にした。
空海が配置した仏像の位置を正確に再現した本作。現地の講堂内部にある柱もVR上で取り除かれ、仏像の位置関係をよりクリアに見せている。この位置関係から、空海の構想した立体曼荼羅を紐解くという試みだ。
現在本作は、東京国立博物館で開催中の特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」の連携企画として、同館東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で上映されている。展覧会とあわせてチェックしてほしい。