佐藤雅晴は1973年大分県生まれ。99年に東京芸術大学大学院修士課程を修了後の2000年にドイツに渡り、10年間デュッセルドルフを拠点に活動。帰国後は国内外で数多くの展覧会に参加し、16年には原美術館で個展「東京尾行」を開催するも、19年に長年闘病を続けていたがんのため、45歳という若さで他界した。
そんな佐藤の制作活動を振り返る回顧展「Rabbit」が、京都のイムラアートギャラリーで開催される。会期は2月15日~3月21日。
日常風景を撮影した実写映像を、コンピューター上のペンツールを用いてトレースした作品を手がけてきた佐藤。実写とのわずかな差異から生まれる違和感は、鑑賞者に現実と虚構を行き来するような感覚を生み出し、何気ない風景への新たな気づきを与えるだろう。
本展では、直近10年間に制作された平面作品2点と、映像作品5点を展示。この機会に、日常の風景に潜む「虚構」を軽やかに描き出した佐藤の活動を振り返りたい。