佐藤雅晴を追悼する個展「I touch Dream」がKEN NAKAHASHIで開催。未公開の初期アニメーション作品を展示

今年3月に惜しまれながらこの世を去ったアーティスト、佐藤雅晴への追悼の意を込めた個展「I touch Dream」が、東京・新宿のKEN NAKAHASHIで開催される。本展では、これまで公開されることのなかった初期の映像作品を展示。会期は7月12日〜27日。

佐藤雅晴 I touch Dream #1 © Masaharu Sato Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo, Courtesy of KEN NAKAHASHI

 佐藤雅晴は1973年生まれ、99年東京藝術大学大学院修士課程修了。デュッセルドルフクンストアカデミーに在籍し、ドイツに10年間滞在した後日本に帰国。ビデオカメラで撮影した日常の風景をパソコン上でペンツールを用いてトレースし、「ロトスコープ」の技法を用いてアニメーション化する作品で知られている。

 佐藤は日本に帰国した2010年に病に倒れ、以来8年以上にわたって癌との闘病を続けてきた。18年9月には、担当医が余命3ヶ月を宣告。病状の進行に伴う視力の低下などにより映像作品の制作は困難となったが、ペインティングの制作に精力的に取り組んだ。そして「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)、「霞はじめてたなびく」(トーキョーアーツアンドスペース)、「死神先生」(KEN NAKAHASHI)の3ヶ所での展覧会に参加するさなかの今年3月、45歳の若さでこの世を去った

佐藤雅晴 I touch Dream #1 © Masaharu Sato Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo,  Courtesy of KEN NAKAHASHI

 そんな佐藤への追悼の意を込め、東京・新宿のKEN NAKAHASHIで個展「I touch Dream」が開催される。

 本展では、佐藤がドイツへ渡った1999年に制作した最初の映像作品で、これまで公開されることのなかった「I touch Dream #1」を展示。同作は、ドイツで孤独に日々を過ごすなかで見ていた悪夢を木炭でデッサンし、一枚ずつ撮影して動画にしたもの。夢の不安定で断片的なイメージが、一つひとつの画を連続させる手法によって表現されている。

 同作をきっかけとして、アニメーションの手法に出会ったという佐藤。本展では《ダテマキ》《calling》《東京尾行》など、代表作にいたるまでの道のりをたどることができるだろう。

佐藤雅晴 I touch Dream #1 © Masaharu Sato Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo,  Courtesy of KEN NAKAHASHI

編集部

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