「ショパンの心臓」と、パリやワルシャワをめぐる2ヶ月間の旅。落合多武が日光で個展を開催中

ニューヨークを拠点に活動するアーティスト・落合多武の個展「ショパン、97分間」が、日光・てつおのガレージで開催されている。会期は4月10日まで。

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 日光東照宮のほど近く、安川町に位置するスペース「てつおのガレージ」。同所で、アーティスト・イン・レジデンス「トレッドソン別邸」企画のもと、落合多武の個展が開催されている。

 落合は1967年生まれ。90年の大学卒業後に渡米し、現在はニューヨークを拠点に活動。ドローイングやペインティング、立体、パフォーマンスなどその表現方法は多岐にわたり、今年1~2月には個展「旅行程、ノン?」(小山登美夫ギャラリー)を開催した。

 今回の個展のモチーフとなるのは、フレデリック・ショパン(1810~1849)。ポーランド・ワルシャワ近郊の街ジェラゾヴァヴァラで生まれたショパンはパリで亡くなり、死後はその心臓だけが故郷に戻されたという。本展は、このエピソードを元にした2つの旅から構成される。

 まず、第1の「肉体の旅」(ジェラゾヴァヴァラからパリ)は映像作品として発表。そして2ヶ月間に及んだという第2の「心臓の旅」(パリからワルシャワ)は、旅行中に購入した363個の中古のオブジェクト、立体や写真、ドローイング、テキストなど様々な要素によって構成される。

 ときにアンティークディーラーやバックパッカー、観光客として各地をめぐりながら、次第にショパンを近くに感じるようになったという落合。本展では、そんな2ヶ月間の旅と、ショパンの「心臓の旅」が奇妙に重なり合う空間を見ることができるだろう。

編集部

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