高松次郎や赤瀬川原平とともに前衛芸術グループ「ハイレッド・センター」を立ち上げ、従来の美術の枠組みを超えた芸術運動を行うなど、戦後のアートシーンを牽引してきた中西夏之(1935~2016)。
東京・恵比寿のNADiff 2階のスクールデレック芸術社会学研究所にて現在開催中の「中西夏之 日射のなかで -土神と狐-」では、宮沢賢治の短編童話『土神と狐』をもとに中西が制作したドローイングシリーズが初公開されている。
美しい女性に擬人化された樺の木(ヤマザクラ)をめぐる土神と狐の恋と破滅を描いた『土神と狐』。中西は、当時制作中だった絵画のために試作していたドローイングを横一列に並べ、同著に挿入したことで「物語があることで絵のほうも活性化されたように感じた」と語っている。