晩年の中西夏之にフォーカスした展覧会。初公開となるドローイングと宮沢賢治の名作『土神と狐』の関係性を考察する

東京・恵比寿のNADiff 2階のスクールデレック芸術社会学研究所で「中西夏之 日射のなかで -土神と狐-」展が開催される。本展では、宮沢賢治の短編童話『土神と狐』をもとに中西夏之が制作したドローイングシリーズを初公開。会期は12月9日まで。

中西夏之 日差しの中で Ⅲ

 高松次郎や赤瀬川原平とともに前衛芸術グループ「ハイレッド・センター」を立ち上げ、従来の美術の枠組みを超えた芸術運動を行うなど、戦後のアートシーンを牽引してきた中西夏之(1935~2016)。

 東京・恵比寿のNADiff 2階のスクールデレック芸術社会学研究所にて現在開催中の「中西夏之 日射のなかで -土神と狐-」では、宮沢賢治の短編童話『土神と狐』をもとに中西が制作したドローイングシリーズが初公開されている。

 美しい女性に擬人化された樺の木(ヤマザクラ)をめぐる土神と狐の恋と破滅を描いた『土神と狐』。中西は、当時制作中だった絵画のために試作していたドローイングを横一列に並べ、同著に挿入したことで「物語があることで絵のほうも活性化されたように感じた」と語っている。

中西夏之 土神と狐#11

編集部

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