
第2回
ミヤギフトシ連載02:田中慎弥の小説に見る、地方からの視線。
アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第2回は、本州の西端で暮らす高校生が巻き込まれる権力と暴力を描いた、小説家・田中慎弥の『燃える家』。地方からの視線で物語を生み出すことで、浮かび上がる問題や歴史がある。小説で描かれた場所を歩きながら、作家の想像力に迫ります。

第2回
アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第2回は、本州の西端で暮らす高校生が巻き込まれる権力と暴力を描いた、小説家・田中慎弥の『燃える家』。地方からの視線で物語を生み出すことで、浮かび上がる問題や歴史がある。小説で描かれた場所を歩きながら、作家の想像力に迫ります。

急速に変化し続ける中国社会に潜む違和感を、映画のように構成された写真作品でとらえる陳維(チェン・ウェイ)。西洋の静物画や映画のような質感と構図による写真作品で、急変を遂げる中国社会に対して鋭敏な視線を投げかける作品を制作しています。2015年10月17日~11月28日、オオタファインアーツ(東京)にて開催した日本での初個展「ナイト・パリ」では、近年関心を寄せる「夜の都市空間」をテーマとした新作2点を含む6点を発表。個展を機に来日した作家に、作品制作の裏側や現代の中国について話を聞きました。

第89回
壁を隔てて隣接する、武蔵野美術大学と朝鮮大学校。2015年11月13日~11月21日、両校の学生・卒業生がこの壁を乗り越える橋を架けて両校のギャラリースペースをつなぎ、合同企画展「武蔵美×朝鮮大 突然、目の前がひらけて」を開催しました。武蔵野美術大学で講師を務めていたこともある椹木野衣が、このプロジェクトを語ります。

第4回
『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から注目したい作品をピックアップ。毎月、図録やエッセイ、写真集など、さまざまな書籍を紹介。2016年1月号では、2012年に44歳で他界したインディペンデント・キュレーター東谷隆司の遺稿集『NAKED』を取り上げた。

第1回
ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げ続け、11月には新たにギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げた櫛野展正による連載。2015年12月13日をもって自主企画展開催を終了したアール・ブリュット美術館、鞆の津ミュージアム(広島)のキュレーターとしても知られる櫛野が、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介します。

一見すると写真にしか見えない山口英紀の水墨画。古典絵画の手本の代わりに、写真をかたわらに置き、それを筆で模写する山口に、インタビューを行った

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターの支持を得るペイントソフトopenCanvasの魅力を、全12回の連載講座でご紹介します。「openCanvas」でのデジタルイラストに挑戦するのは、水彩画とボールペン画が特技という声優の上田麗奈。デジタルイラストの制作はまったく初めてという上田の講師は、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんが担当。はたして藤ちょこさん指導のもと、上田はデジタルイラストをマスターできるのでしょうか? 第1回となる今回は、ペンタブレットを使用した操作に慣れてもらいます。

恵比寿のwaitingroomにて12月19日より個展「back is confidential space. Behind=Elevator」を開催する川内理香子にインタビューを行った。

私塾「パープルーム予備校」を拠点とするアーティスト・コミュニティ、パープルーム。前編では、パープルームを主宰する梅津庸一を迎え、パープルームの活動に至るまでの経緯や、受験教育と美術作品の切り離せない関係について話を聞いた。後編では、パープルーム予備校の日常や今後について、梅津に加え、パープルーム予備校生のアラン、安藤裕美にインタビューする。

私塾「パープルーム予備校」を拠点とするアーティスト・コミュニティ、パープルームは、美術予備校を美術運動として運営し、美術の制度や教育の問題に切り込む活動を展開している。白金高輪のギャラリー・ARATANIURANOで開催された「パープルーム大学物語」展にて中心メンバーの梅津庸一にインタビューし、パープルーム予備校設立の背景、現在の活動やこれからの展望に迫った。

BankARTで開催中の「日産アートアワード2015」でグランプリを受賞した毛利悠子は、今もっとも注目を集める作家のひとり。展示環境に寄り添うインスタレーション作品を制作してきた彼女は、10月15日〜25日、アサヒ・アートスクエアにて、展示のための空間把握を数値化するプロジェクト「感覚の計測──《I/O ある作曲家の部屋》の場合」を実施しました。展示のためのあらゆる環境条件を計測し、作品展示のためのインストラクションを公開制作するこのプロジェクトは、サイトスペシフィック・アートの収蔵の問題や、美術作品の未来を見据えたものでした。

死刑囚、ヤンキー、スピリチュアル系など、美術の「正史」では扱われてこなかった存在に目を向けた企画展を行い、注目を集めてきた広島県福山市の鞆の津ミュージアム。しかし同館は、現在開催中の企画展「障害(仮)」(2015年9月12日〜12月13日)を最後に自主企画展を終了する予定となっています。同館で9本の企画展を手掛け、今年10月に新たな活動の場「クシノテラス」を立ち上げたキュレーター・櫛野展正に、これまでの展覧会や新プロジェクトについてインタビューを行いました。

第88回
中国の現代美術の新星として将来を嘱望されていた画家・牛波(ニュウ・ボ)。日本からニューヨーク、そして再び中国に戻っていた牛波が、ついに活動を本格化させています。 2015年9月24日~10月31日、北京の樹美術館で開催された「Facing west looking east? 牛波展」を、椹木野衣が読み解きます。

『美術手帖」2015年5月号で初対談を行った、卯城竜太(Chim↑Pom)と黒瀬陽平(カオス*ラウンジ)。今回、ともに福島を舞台とした展覧会を開催したことをきっかけに、改めて対談してもらった。

東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーで開催中の「MOMATコレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」(12月13日まで)。波乱に満ちた生涯を描いた映画も公開され、画家・藤田嗣治への注目はいっそう高まっています。この展示では、同美術館所蔵の藤田作品をすべて公開。なかでも、藤田が手がけた戦争画14点が初めて一挙に展示され、話題を呼んでいます。国内外で人気の高い画家・藤田ですが、実はこの展覧会には、美術館のありかたと未来を考える意図も。今回は、担当学芸員の蔵屋美香さんにお話を聞き、藤田と戦争画を、そして美術館のこれからを考えます。

今年7月に亡くなった、画家の中園孔二。大学時代にその制作をそばで見てきた、中園の指導者でありアーティストの、O JUNによる追悼文を掲載します。

ついにスタートした国際演劇祭「フェスティバル/トーキョー15」。なかでも特に熱い注目が寄せられるのが、11月19日から始まる岡田利規演出の『God Bless Baseball』です。野球を題材に、日本・韓国・アメリカの関係を問う同作は、「日韓あるある」「野球あるある」的なユーモア溢れるやり取りを経て、やがて我々に東アジアの戦後史を概括する視点を示し始めます。そのなかで大きな役割を果たすのが、美術家の高嶺格が手がけた舞台美術。舞台上に浮かぶ、白い円盤が意味するものとは何か? そこに起こる変化は、私たちに何を訴えかけているのか? 岡田利規と高嶺格の対談を通して、『God Bless Baseball』が目指すものを考えます。

第87回
2015年7月18日~10月12日、新潟市全域で「水と土の芸術祭」が開催されました。四大公害病のひとつである「新潟水俣病」が発生してから、ちょうど50年。芸術祭は、私たちにどんな新しい観点をもたらしたのか? 椹木野衣が、髙橋伸行の展示「旅地蔵─阿賀をゆく─」から「水と土」の芸術祭の意義の核心に迫る。

第3回
社会や歴史に介入した作品を多く発表し、近年では共産主義への関心も示すアーティスト・丹羽良徳。そんな丹羽による新刊、『歴史上歴史的に歴史的な共産主義の歴史』と、『過去に公開した日記を現在の注釈とする:天麩羅』が、2015年9月に発売された。

第1回
アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第1回を飾るのは、恋愛や結婚を中心に、独特な「性」のパラレルワールドを描く小説家・村田沙耶香(むらた・さやか)の『消滅世界』。彼女の小説に登場する生命やセクシャリティに関するさまざまな行為には、現実の世界とどのような連関が見出せるのでしょうか。小説で描かれた場所を歩きながら、作家の想像力に迫ります。