「恋人は資本主義」とシニカルに提示するバンクシー

ストリート・アーティストのバンクシーが2013年10月に行った活動を追ったドキュメンタリー映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』。 本作は、1か月間毎日1点ずつ、ニューヨークの路上に彼が残した作品を、人々が探し求める様子を追いかけている。同内容を紹介するドキュメント本『バンクシー・イン・ニューヨーク』 (パルコ)も発売中だ。現代社会に内在した問題を提起するアーティスト・丹羽良徳が、映画についてつづった。

INSIGHT

上田麗奈と藤ちょこ先生のデジタルペイント講座③ 色塗り〜表情

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターに支持を得ているペイントソフト「openCanvas」の魅力を、連続講座を通じてご紹介しています。openCanvasでのデジタルイラストに挑戦するのは、声優の上田麗奈。デジタルイラストの制作はまったく初めてという上田の講師を務めるのは、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさん。前回(第2回)は、ラフの上に線画を描きました。第3回となる今回は、下地の色を塗っていきます。

INSIGHT / PROMOTION

第6回

【今月の1冊】戦後アメリカ美術と「越境」するアーティスト

『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から、エッセイや写真集、図録など、注目したい作品を紹介。2016年3月号では、ロバート・ラウシェンバーグを中心に据えて戦後アメリカ美術の受容の過程を丁寧に読み解いた、池上裕子著『越境と覇権 ロバート・ラウシェンバーグと戦後アメリカ美術の世界的台頭』を取り上げた。

エコロジーという脅迫:「フォスター+パートナーズ展」を見て

イギリスの建築家ノーマン・フォスターによって1967年に設立された国際的建築設計組織「フォスター+(アンド)パートナーズ」は、これまで世界45か国で300のプロジェクトを遂行し、革新的なアイデアで建築や都市を創造し続けている。その日本初の大規模展覧会が、森美術館の主催により、2016年1月1日〜2月14日、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューにあるスカイギャラリーで開催された。さまざまな資料とともに「フォスター+パートナーズ」の軌跡を紹介する本展を、「3.11以後の建築」展を企画した金沢21世紀美術館の鷲田めるろが読み解く。

INSIGHT

第91回

複製で出会う神の声。 椹木野衣が見た、『初期シェーカー聖歌』

アメリカ・ニューヨークを拠点に活動し、テクノロジーと様々なメディアを駆使した演出で現代演劇の最先端を走る前衛劇団、ウスター・グループ。その初来日公演が2015年末に東京・青山のスパイラルホールで実現した。19世紀にアメリカで発祥したキリスト教団体「シェーカー」の聖歌のレコードをもとにした本作を、椹木野衣がレビューする。

REVIEW

宮島達男のパブリックアート作品、六本木で5年ぶりの再点灯

2011年3月11日の東日本大震災から5年。震災発生2日後に消灯された、宮島達男のパブリックアート作品《Counter Void》が再点灯される。「Relight Days」と題し、2016年3月11日の点灯式に始まり、3日間にわたって未来の社会や人間のあり方を考えるワークショップやトークセッションを予定。1月28日に行われた開催発表記者会見での宮島達男の言葉とともに、本プロジェクトを紹介する。

NEWS / HEADLINE

第3回

櫛野展正連載:アウトサイドの隣人たち ③進化するデコ街道

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会をキュレーターとして扱ってきた櫛野展正。自身でもギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けています。櫛野による連載企画「アウトサイドの隣人たち」第3回は、カラフルなガラクタであふれんばかりのデコレーションを店舗にほどこす酒屋の主人、山名勝己(やまな・かつみ)さんを紹介します。

第5回

【今月の1冊】ツェランの詩がうつし出す、新しいキーファー論

『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から、エッセイや写真集、図録など、注目したい作品を紹介。2016年2月号では、ユダヤ人詩人パウル・ツェランの詩を手がかりに、アンゼルム・キーファーの作品を再考する関口裕昭著『翼ある夜 ツェランとキーファー』を取り上げた。

第4回

ミヤギフトシ連載04:柴崎友香の小説に見る、10年後と1年後

アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第4回は、のちに映画化もされた柴崎友香のデビュー作『きょうのできごと』と、その10年後を描いた『きょうのできごと、十年後』です。小説の舞台となった京都、そして鴨川デルタを歩いたミヤギが、作家の想像力に迫ります。

期待のアーティストに聞く! 久保ガエタンが千住で新作発表

オカルトなどの不可視な事象を手がかりとしてインスタレーション作品を制作する、美術家・久保ガエタン。2016年1月23日~3月13日に東京・千住で開催中の個展「記憶の遠近法」では、「お化け煙突(旧・千住火力発電所)」の歴史をテーマとした新作を展示している。作品や資料を通じて、かつて千住のシンボルだった「お化け煙突」にまつわる新たな物語を展開する久保に、作品について聞いた。

INTERVIEW

第2回

櫛野展正連載:アウトサイドの隣人たち ②怪獣ガラパゴス天国

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げるアール・ブリュット美術館、鞆の津ミュージアム(広島)のキュレーターを務める櫛野展正。2015年12月に同館が自主企画展の開催を終了した後も、自身でギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けています。櫛野による連載企画「アウトサイドの隣人たち」第2回は、紙面いっぱいに大好きな怪獣たちを描き続ける小さな表現者、八木志基(やぎ・もとき)くんを紹介します。(連載第1回はこちら)

絵筆でたどる、キュリー夫人の人生 片山真妃インタビュー

2016年1月9日〜2月7日、Maki Fine Arts(東京・神楽坂)にて、片山真妃の個展「キュリー夫人年表」が開催されています。「VOCA展2014」にも選出された片山は、特定の人物をモチーフとした抽象画などで知られます。個展に際し、作品や制作の背景について聞きました。

INTERVIEW

黒瀬陽平が見た、 震災と高校生を描くF/T15『ブルーシート』

2013年、東日本大震災で崩落しブルーシートで覆われていた崖を臨む、高校のグラウンドで上演された演劇作品『ブルーシート』。飴屋法水が作・演出を務めた本作には、舞台となった福島県立いわき総合高校の生徒10人(当時)が出演し、話題を呼んだ。15年秋に開催された「フェスティバル/トーキョー 15」に際し、東京・豊島区の元中学校を会場として再演が実現。元生徒を含む高校生たちのやりとりを通して震災を描いたこの作品を、美術家・美術評論家の黒瀬陽平が語る。

REVIEW

第90回

増殖する「東北画」。椹木野衣が見た「東北画は可能か?」展

アートの中心地から遠く離れた地域で「絵を描くことは可能か?」という問いをきっかけに始まったプロジェクト「東北画は可能か?」。その現時点での集大成となる展覧会が、東京都美術館で開催されました。継続するこのプロジェクトのありようを、椹木野衣が読み解く。

REVIEW

上田麗奈と藤ちょこ先生のデジタルペイント講座② ラフを描こう

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターに支持を得ているペイントソフト「openCanvas」の魅力を、連続講座を通じてご紹介しています。openCanvasでのデジタルイラストに挑戦するのは、声優の上田麗奈。デジタルイラストの制作はまったく初めてという上田の講師は、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんが担当。初回となる前回は操作に慣れてもらうため、自由に絵を描いてもらいました。第2回目では「レイヤー」の構造を理解し、ラフから線画を描いていきます。

INSIGHT / PROMOTION

武蔵美×朝鮮大「突然、目の前がひらけて」出品作家インタビュー

武蔵野美術大学と朝鮮大学校の2校は、東京都小平市小川町に塀一枚を隔てて並び建っています。2011年、武蔵野美術大学の学生の作品制作をきっかけにして、両校の学生たちを中心にした交流が始まりました。そして、2015年11月13日〜21日には、武蔵野美術大学の修了生および学生の3名と朝鮮大学校の学生2名の作品展「武蔵美×朝鮮大 突然、目の前がひらけて」を両校のキャンパスで開催。期間中、2会場の間にある塀に手作りの「橋」を架けたことでも話題となった同展について、出品作家5名(市川明子、鄭梨愛[チョン・リエ]、土屋美智子、灰原千晶、李晶玉[リ・チョンオギ])にインタビューを行いました。

INTERVIEW