建築を「見る」ことが、保存への支援になる
──建築維持協力金は、そうした考え方を経済的な支援につなげる仕組みですね。
笠原 そうですね。ただ、個々の建物に支払われる金額は、それほど大きなものではありません。それだけで建物を守れるとは、私たちも思っていません。でも、そもそも私たちは有料のイベントを開催し、参加者からお金をいただいています。それなのに所有者にはわざわざお願いして、建物を無料で公開してもらうというのは、少しおかしいのではないかと思うんです。
公開にあたっては、建物を掃除したり、歴史を紹介するパネルをつくったりと、所有者側にも様々な費用が発生します。そうしたことに少しでも使っていただければという思いがあります。謝礼としてではなく、建物を維持していくために役立ててほしい。少額であっても、参加者からいただいたお金を所有者に還元することには意味があると思っています。

──先行する大阪の「イケフェス」とは、運営の考え方に違いがあるのでしょうか?
笠原 大阪は基本的にボランティアによって成り立っていて、所有者も自発的に参加しているんですよね。面白いことをやろうという人たちが集まって、みんなで盛り上げていく。大阪らしい文化だと思います。
京都は少し違うんです。個人主義というよりも、コミュニティの論理が重視される街だと感じています。だから、所有者に対しても、こちらがきちんと敬意を払い、協力する姿勢を示すことが大切だと思っています。建築維持協力金にも、そうした意味があるんですね。もちろん、どちらが正しいという話ではなくて、それぞれの都市の文化や特徴に応じたやり方があるのだと思います。



















