• HOME
  • MAGAZINE
  • INSIGHT
  • 山火事被害のロサンゼルス、アートシーンはいかにして再生できる…

山火事被害のロサンゼルス、アートシーンはいかにして再生できるのか?【4/4ページ】

 さらに、最近では「モーン・アート・コレクティブ(MAC3)」という新たな取り組みが注目を集めている。ロサンゼルスのハマー美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)、ロサンゼルス現代美術館(MOCA)が協力し、ロサンゼルスの重要なアートコレクションのひとつに3つの美術館が共同で支援している。このコレクティブは、356点の作品を含むロサンゼルスを拠点にしたヤールとパメラ・モーン夫妻のコレクションを活用する。なかには、ハマー美術館の「メイド・イン・L.A.ビエンナーレ(MiLA)」で購入された作品が多く含まれている。今後、3つの美術館は協力してこのコレクションを拡充していき、MiLA開催年にはビエンナーレに出展するアーティストから直接作品を選出する予定だ。また、モーン夫妻は、今後の作品購入資金やコレクションの管理・保管を支える基金も設立している。

 LACMAのディレクター、マイケル・ゴヴァンはステートメントで「実験と枠を超えた思考を推奨するロサンゼルスだからこそ、このような前例のない共同購入が実現できた」と述べている。彼が語るように、MAC3の協力精神はまさにロサンゼルスのアートシーンの基盤である。この街には創造的なエネルギーが脈打っており、それを支えにしてコミュニティが築かれている。フリーズ・ウィークはその一例となり、ロサンゼルスは世界のアートマーケットを拒むことなく、来るべきフェアや周辺のイベントを歓迎している。アーティストにとってアートを売る機会は、失われたものを取り戻すための支援の手段となるだろう。この街の歴史は、ロサンゼルスが最近の大規模な火災による壊滅的な打撃からどのように立ち直りつつあるのか、そしてその過程をすでに始めていることを示している。

 もし、ロサンゼルスのアーティストやクリエイティブワーカーを支援したい場合は、以下のリンクをご覧いただきたい。

Getty/LA Fire Relief: https://www.getty.edu/about/development/LAArtsReliefFund2025.html
Hope and Grief: https://www.gofundme.com/f/help-rebuild-the-lives-of-las-artists-and-art-workers
GoFundMe: https://airtable.com/appfqcKdX2qJop9zk/shryghfvqX6TeRv30/tblPs090DJSIKaldY

Exhibition Ranking