1月7日からロサンゼルスで続く壊滅的な火災により住宅やスタジオ、職業を失ったアーティストやアートワーカーを支援するため、現地の主要なアート団体や慈善家による連携が、「LAアーツコミュニティ火災救済基金（LA Arts Community Fire Relief Fund）」の創設を発表した。
この基金は、ロサンゼルスに本拠地を置くJ・ポール・ゲティ財団をはじめとする多くの国内外の機関や基金が協力しており、その運営はアート支援を行ってきた長年の仲介機関であるセンター・フォー・カルチュラル・イノベーション（CCI）が担当する。
初期の資金としては1200万ドル（約18億6200万円）が提供され、その後も支援者が増加することで資金が拡充されているという。参加する支援団体や個人には、メロン財団、ヘレン・フランケンサーラー財団、アンディ・ウォーホル財団、カタール・ミュージアムズ、フォード財団などが名を連ねており、アーティストやアートワーカーが直面している深刻な状況に対し、迅速に支援を提供することを目指している。
近年、メガギャラリーの進出や「フリーズ」アートフェアの開催により、ロサンゼルスのアートシーンは大きな注目を集めている。今回の火災は、現地の多くのアーティストやアートワーカー、関連職業の人々に壊滅的な影響を与えた。住宅やスタジオ、アーカイヴ、アート作品、職場などが破壊され、ロサンゼルス及びその周辺地域のクリエイティブコミュニティに大きな打撃を与えた。
火災の影響を受けたすべての分野のアーティストおよびアートワーカーは1月20日より、CCIのウェブサイトから緊急助成金を申請することができる。また、長期的なニーズに対応するために必要な場合は、資金がほかの用途にも使用される予定だという。
また、今回の基金に加え、ロサンゼルスおよびアメリカ全国では様々な募金活動が行われている。例えば、「アートワールド火災救済LA」のGoFundMeキャンペーンや、音楽専門家を支援するための「ロサンゼルス音楽業界救済活動」などもクリエイティブ業界に支援を提供している。
ゲティ財団のキャサリン・E・フレミング社長兼CEOは声明文で、「ロサンゼルスの広大な地域が焼け落ちていく様子に、世界中が恐怖を感じているが、この地域的な悲劇は、グローバルな文化への影響をもたらしている」と述べ、この支援活動がいかに重要であるかを強調した。
また、メロン財団のエリザベス・アレクサンダー社長は、「ロサンゼルスの人々は、アートの創造的な力を体現する存在であり、アメリカ全体がこの地域のアーティストたちを支援するときだ」と述べ、支援を呼びかけている。
