F/Tの注目作『GBB』を語る 岡田利規×高嶺格インタビュー

ついにスタートした国際演劇祭「フェスティバル/トーキョー15」。なかでも特に熱い注目が寄せられるのが、11月19日から始まる岡田利規演出の『God Bless Baseball』です。野球を題材に、日本・韓国・アメリカの関係を問う同作は、「日韓あるある」「野球あるある」的なユーモア溢れるやり取りを経て、やがて我々に東アジアの戦後史を概括する視点を示し始めます。そのなかで大きな役割を果たすのが、美術家の高嶺格が手がけた舞台美術。舞台上に浮かぶ、白い円盤が意味するものとは何か? そこに起こる変化は、私たちに何を訴えかけているのか? 岡田利規と高嶺格の対談を通して、『God Bless Baseball』が目指すものを考えます。

INTERVIEW

第87回

「新潟」の歴史を解く。 椹木野衣が見た「水と土の芸術祭」

2015年7月18日~10月12日、新潟市全域で「水と土の芸術祭」が開催されました。四大公害病のひとつである「新潟水俣病」が発生してから、ちょうど50年。芸術祭は、私たちにどんな新しい観点をもたらしたのか? 椹木野衣が、髙橋伸行の展示「旅地蔵─阿賀をゆく─」から「水と土」の芸術祭の意義の核心に迫る。

REVIEW

第1回

ミヤギフトシ連載:村田沙耶香の小説で問う「正常な世界」とは?

アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第1回を飾るのは、恋愛や結婚を中心に、独特な「性」のパラレルワールドを描く小説家・村田沙耶香(むらた・さやか)の『消滅世界』。彼女の小説に登場する生命やセクシャリティに関するさまざまな行為には、現実の世界とどのような連関が見出せるのでしょうか。小説で描かれた場所を歩きながら、作家の想像力に迫ります。

騒動を超えて。企画者が語る「ここはだれの場所?」展の真意とは

子どもたちにとって、大人たちにとっても美術館とはどんな場所だろう? もしくは、どんな場所になりうるだろう?今夏の東京都現代美術館の子どもを主題にした本展(7月18日〜10月12日)では、4組のアーティストが「ここではない」もうひとつの世界の入り口を示す場所をつくりあげた。しかし、開幕直後に会田誠と会田家の作品に対して美術館と東京都が撤去・改変を要請したことで、世間を賑わせたのち、要請を撤回するという騒動に注目が集まってしまった。ここでは担当キュレーターにこの展覧会の企画意図を寄稿してもらった。改めて、この展覧会が今の社会に投げかけた、「美術の力」について向き合ってみたい。

INSIGHT

日本写真史の空白① 戦前〜開戦。対外宣伝の始まり

静岡県のクレマチスの丘にあるIZU PHOTO MUSEUMにて「戦争と平和──伝えたかった日本」展が開催中です。『美術手帖』9月号、戦後70年の企画として特集した「絵描きと戦争」内でも紹介しました。1000点余の写真やグラフ雑誌で構成されたこの展覧会、本誌では伝えきれなかった見どころがたくさんあります。名取洋之助、木村伊兵衛、土門拳ら日本の写真界を代表する写真家たちの仕事を、1930年代から50年代の戦前、戦中、戦後と連続して見ることで、知られざる写真史が浮かんでくるのです。本誌特集の番外編として、「写真家と戦争」をテーマに、同館研究員の小原真史さんの案内で、3回にわたって展覧会を紹介します。

INSIGHT

第85回

色彩と線を振り返る 。 椹木野衣が見た、「熊谷守一美術館30周年展」

豊島区立熊谷守一美術館で、2015年5月15日〜6月28日の初夏、「熊谷守一美術館30周年展」が行われた。その大胆な色彩と線の組み合わせは、野獣派や分割主義を彷彿とさせる。晩年の浮世離れした生活から「画壇の仙人」と呼ばれた熊谷守一。油絵、墨絵、書など合わせて100点以上が集う会場で、美術批評家・椹木野衣が思うこととは?

REVIEW

第1回

【今月の1冊】 椹木野衣×会田誠が、 戦争画を語り尽くす!

「戦争」を入り口として執筆活動を始めた椹木野衣と、美術史の中で触れられることのなかった歴史を皮肉的に表現する会田誠による戦争についての対談集が、2015年6月に発売された。美術的観点からはもちろん、戦時下という環境の中で人々がどのような思想を持っていたのかということについて、改めて考えさせられる一冊だ。

ヤン・ファーブル 玉虫色が照らし出す歴史の暗がりと生死の寓意

初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスと、アフリカ大陸で混乱の歴史を辿ってきたコンゴ。 一見接点を発見しづらい両者に、<strong>ヤン・ファーブル</strong>は「遺伝子的なつながり」を見出す。 そこには、21世紀に生きる「中世の芸術家」を自称する彼の原点に根ざす眼差しがあった。

INTERVIEW

レン・ハン、鮮烈でスタイリッシュなヌード写真の世界

中国・北京を拠点に2008年より写真家として活動し、各地で展覧会を行っているレン・ハン。ヌードの男女をモデルとした写真が注目を集め、ファッション誌でも活躍中の、彼の日本初個展が開催されている。そこで、今回は『美術手帖』2015年8月号に掲載された、彼の写真集『NEW LOVE』についての記事を紹介する。

INSIGHT

自分も知らない自分に会える! アートセラピーを体験してみよう

医療機関や福祉施設などで心理療法として行われるアートセラピー。通常は患者や施設利用者が対象になりますが、4月某日、このアートセラピーによって学生の交流をうながすワークショップが行われました。会場となったのは東京・原宿にあるデザインフェスタギャラリー。「万国學生藝術展覧祭2015(通称、學展)」に出展する学生を中心に、16名の参加者が集まりました。【PR】

INSIGHT

サカナクション・山口一郎インタビュー(後編) 30年後の音楽?

サカナクションがオーガナイズする音楽・アートの複合イベント「NIGHT FISHING」(7月2日〜3日、恵比寿LIQUIDROOM)。前編では、その新たな試みのきっかけと真意を山口一郎に聞いた。この後編では、「NIGHT FISHING」のチャレンジから見える、未来の音楽のあり方について話してもらった。

INTERVIEW