2017.4.13

写真で照らすポルノ産業の明るい側面。ソフィ・エブラード「It’s Just Love」

ポルノを舞台に、そこにある人間性に焦点を当てる写真家、ソフィ・エブラードの個展「It’s Just Love」が4月15日から京都のFRANK WORK STUDIOで開催される。本展は「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017」のサテライトエキジビション「KG+」のプログラムのひとつ。

It’s Just Love ©Sophie Ebrard

 ソフィ・エブラードは1976年フランス生まれ。広告業界で10年のキャリアを積んだ後、写真家へと転身した経歴を持つ。現在はロンドン、アムステルダムを拠点に活動しており、初個展は世界的にも著名なアムステルダムのフォトフェア「Unseen」(2015)。本人の私邸を展覧会場とした「It's Just Love」は『THE HUFFINGTON POST』『TIME』など各誌で取り上げられ、国際的注目を集めた。

 この「It's Just Love」は、カメラの前にいる個々人の人間性を引き出し、ポルノ産業の軽やかな側面を照らし出すというもの。エブラードはポルノ作品のディレクター、ガズマンに密着取材し、4年間にわたり世界中にある撮影現場を撮りおさめた。

 出演者たちの親密なやりとりの瞬間と人間性に焦点を当て、密室の戯れやかけひきを描いたルネサンス絵画のように、詩的で端正な様相が写し出されている。会場は作家のアパートと同じ装飾を施した設えとなっており、作品は電話から聴こえる囁きや映像とともに展示され、ポルノグラフィの概念に新たな息吹を与える。