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セゾン現代美術館がリニューアルオープン。「作品と深く呼吸する場所」を掲げ、菊竹清訓建築を次世代へ【5/5ページ】

建築とコレクションを、次の時代へ

 日本における現代美術の歴史を語るうえで、セゾン現代美術館とそのコレクションは欠かすことのできない存在だ。今回のリニューアルは、その歴史を刷新によって塗り替えるものではなく、これまで積み重ねられてきた建築、庭園、作品の関係を丁寧に読み直し、次の世代へと手渡すためのものだ。

 新しくなった空間で印象的なのは、改修の痕跡そのものが前面に出ていないことだ。菊竹清訓の建築はあくまで菊竹の建築として残され、そのなかで光や緑、作品の存在が以前にも増して鮮明に感じられる。

 作品を見るだけではなく、森の空気を吸い、建築の時間に身を置き、庭園を歩く。そうした体験の総体を通して、セゾン現代美術館は「アートと呼吸する」という開館以来の理念を、現代の言葉と空間によって再び提示した。「作品と深く呼吸する場所」として生まれ変わったこの美術館は、過去を保存するだけでなく、その遺産を未来へと生かしていくための新たな一歩を踏み出した。

若林が手がけた鉄橋から美術館を望む

編集部