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「マリメッコ展 模様のちから」(京都文化博物館)開幕レポート。マリメッコの創造の美学をたどる大規模展【5/5ページ】

皆川明との新たなクリエイティブ・ダイアローグ 国境・領域・時を超えて

 展覧会の締めくくりを飾るのは、デザイナー・皆川明とのコラボレーションによる新作インスタレーション《Marimekko's Timeless World》(2026)だ。

皆川明《Marimekko's Timeless World》(2026)

 本作は、皆川がマリメッコのために新たにデザインしたファブリック「Tuulla(風が吹く)」と、様々なデザイナーたちによる過去のファブリックを用いたもの。テキスタイルの輪がチェーンのように連なる様子は、まさに皆川とマリメッコとの創造的協働の象徴となっている。

手前に見えるのが皆川がデザインした「Tuulla(風が吹く)」

 マリメッコにとってプリントメイキングの根幹を成す人と人との交流を体現するものであり、その思想と歴史を現在のクリエイターがどのように受け止め、新たな表現へとつなげていくのかを示す試みでもある。

 マリメッコと皆川明は、ともに自然への観察を創作の源泉とし、暮らしに寄り添うデザインを追求してきたという共通点を持つ。国も世代も異なる両者の対話は、ただのコラボレーションにはとどまらず、デザインに対する思想の継承として見ることができる。

 ブランドの歴史を振り返るだけでなく、その創造性が現在も更新され続けていることを示す本章は、展覧会全体を未来へと開くエピローグとなっている。

編集部