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見どころは「見える収蔵庫」。前川國男建築の宮城県美術館、26年6月にリニューアルオープン

1981年の開館以来、地域の美術発信の拠点として親しまれてきた宮城県美術館。施設の老朽化や、美術館に求められる役割の多様化を背景に進められていた大規模な改修工事が完了し、リニューアルオープンを迎える。

文・撮影=橋爪勇介(編集部)

新設された「見える収蔵庫」

市民と専門家が守った前川國男の名建築

 老朽化対策工事や設備の新設を経て、宮城県美術館が2026年6月20日に待望の再開館を果たす。今回のリニューアルで目指されたのは、「記憶に残る」「また訪れたくなる」「常に新しい発見のある」美術館。だが、このリニューアルたどり着くまでには、美術館の存在意義や建築の保存をめぐる大きな議論の経緯があった。

リニューアルオープンを迎える宮城県美術館

 同館をめぐっては、2018年に一度「宮城県美術館リニューアル基本方針」が策定され、現在の改修案に近い具体的な内容が発表されていた。しかし翌2019年11月、事態は急展開を迎える。宮城県は、建て替えを検討中だった宮城県民会館の新建設予定地(旧仙台医療センター跡地)へ同館を移転・集約するという方針を固めたのだ。

 これに対し、近代建築の巨匠・前川國男が設計したモダニズム建築としての価値、そして長年培われてきた文教地区での歴史や環境を守ろうと、多くの反対の声が上がった。市民団体「宮城県美術館の現地存続を求める県民ネットワーク」が立ち上がったほか、建築界や大学の研究者らも連帯して現地存続を要望。この大きな反対のうねりを受け、2020年11月、当時の村井嘉浩宮城県知事は移転案を断念し、当初の計画通り「現在地での存続・現地改修」を行う方針を示した。多くの人々の声によって守られた空間が、いよいよ26年夏、新たな姿を現す。

 「子どもたちの豊かな体験を創出する」「人々が憩い、くつろぎ、集い、つながる」「国内外の人々が魅了される」「ともに築きあう」という4つの改修コンセプトのもと、ハード・ソフトの両面から大胆なアップデートが施された「新生・宮城県美術館」の主な見どころを紹介する。

回廊が特徴的な宮城県美術館

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